花の尾瀬ヶ原と燧ヶ岳(2356m)
 
日 時:2001年8月4日(土)〜5日(日)

【第1日】鳩待峠から尾瀬ヶ原へ
行 程:1120鳩待峠−1215,1245山ノ鼻−植物研究見本園−1310山ノ鼻−1335,1345牛首手前−1432,1440ヨッピ橋−1530下田代十字路・原の小屋―2000消灯
ルート断面図とルート図
 
尾瀬ヶ原断面図 尾瀬ヶ原ルート図
カシミール3Dにて作成しています
 
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広い駐車場のある鳩待峠で降りた途端、バラバラと大粒の雨が降り出した。渋々雨具や傘を準備し、山ノ鼻へ向けて下り始める。四半世紀振りの尾瀬だが、いきなり複線の木道が設置されていてびっくりする。以前はこの辺りには木道はなかったが、今では川上川沿いのこのルート全てに木道、更に急斜面には木の階段が付けてあり、ひっきりなしに人が登って来る。ブナ、ハウチワカエデ、オオカメノキ、オガラバナ、コメツガなどの樹林が続く。

山ノ鼻にて 植物研究見本園
 
濁流の川上川を渡ると山ノ鼻の建物群が見えて来た。かつては至仏山荘しかなかった山ノ鼻にはビジターセンターを始め、大きな山小屋がいくつもある。チップ式トイレも立派なものだ。二つある無料休憩所や山小屋も登山者で埋まっており、超メジャーの尾瀬だけあって大変な賑わいだ。植物研究見本園を一回りしてみる。やや乾燥気味の湿原である見本園は人が少なく、静かないい雰囲気である。木道の両脇にはコバギボウシ、黄色のミズギクやキンコウカ、紫のオゼアザミやクガイソウなどがあいにくの曇り空に沈んでいる。

東電小屋 ヨッピ川
 
25分ほどで山ノ鼻に戻り、ヨシの間を抜けて尾瀬ヶ原へ向かう。中田代三叉路で左に折れ、ヨッピ橋へ。遠くに並んだシラカバやダケカンバの白い幹が目立つ。サワギキョウ、つやのある青い実のツバメオモト、枯れたニッコウキスゲの群落あり。装飾花のある白い花が一杯に咲いた低い潅木のノリウツギがあちこちにある。竜宮小屋からの道と合流してすぐヨッピ橋を渡り、一本立てる。ヨッピ川は尾瀬の清流のイメージには程遠い濁流だ。シラカバ、ダケカンバの林を抜けると正面に東電小屋が見えてきた。ここから緩やかな登りとなる。薄暗い雑木林の中は夏の尾瀬とは思えないほど人がいない。 林を抜けるとオタカラコウやオレンジ色のコオニユリの咲く小さな湿原に出た。東電尾瀬橋で泥水の激流となった沼尻川を渡る。わずかに登って尾瀬ヶ原の北端に出るとすぐ三条の滝への道と合流。オタカラコウなどが咲き、雨に煙る尾瀬ヶ原を10分程行くと下田代十字路に到着。原の小屋に大混雑を覚悟して入ってみると意外やガラ空きである。夕食は粗末な小屋食ではなく、鶏肉のソテー等予想外にちゃんとした献立だった。風呂もあるそうだが、廃水処理はどうやっているのだろう?山小屋で風呂に入ることもない。



【第2日】燧岳に登る
400起床―502原の小屋−545,5501600m付近−638,6451800m付近−735,745 2100m付近−825,835 温泉小屋分岐−907,925柴安�堯�945,955俎�堯�1045,10552100m付近−1125,1140熊沢田代−1238,1245広沢田代−1345,1520御池駐車場―1600,1610尾瀬口―1650奥只見ダム

ルート断面図とルート図
 
燧岳断面図 燧岳ルート図
カシミール3Dにて作成しています
 
 
翌朝4時に起床、至仏方面は厚い雲の中だが、燧岳の方角は晴れ間がのぞいている。5時過ぎに出発。朝もや煙る静かな下田代の小屋群を後に、すぐ木道歩きが始まる。今日は乾いているから歩き易い。標高1400mの朝は涼しく実に爽やかだ。うっそうとした森に鳥の声が響き渡る。ブナ、ミズナラ、ダケカンバの巨木が立ち並び、オオカメノキ、トチノキ、シナノキ、ハウチワカエデなどの広葉樹が濃い緑の葉を茂らせている。白砂乗越を経て尾瀬沼に至る道を右に分け、見晴新道に入る。徐々に傾斜が増し、段々晴れ間が広がって来た。クロベ、シラビソなどの針葉樹が混じり出す。

燧岳の登り 燧岳の登り 俎��
 
ウグイスやキビタキがしきりに囀っている。高山性のカエデであるミネカエデとオガラバナが非常に多い。いよいよ急登だ。涸れ沢状の岩混じりの急登が続き、ダケカンバの背が低くなると、後ろの山並みが見え始めた。雲の下の尾瀬ヶ原が神秘的な美しさだ。ようやく森林限界を抜けたらしくハイマツ帯となった。花の終わったハクサンシャクナゲも多い。 右手に俎�瑤�見え、山頂で人が動くのが判る。日が当たったかと思うと再びガスに覆われる。温泉小屋への分岐に到着。ここまで来れば柴安�瑤呂垢阿澄H�瀬ヶ原の全景が見渡せるが、至仏はまだ雲の中だ。南東の空には日光白根や男体山など日光連山が雲の間から見え隠れしている。歩き始めると再びガスが湧き上がって来た。 

爽やかに 雲立上る 夏の嶺

燧岳の登り 尾瀬沼 尾瀬ヶ原と至仏山
 
コケモモやピンクのハクサンフウロが咲いていて高山らしくなる。右手眼下に尾瀬沼が見える。柴安�瑤和臉�の登山者であふれている。至仏山がようやく姿を現した。急な岩場を下り、少し登り返すと俎�瑤任△襦�柴安�瑤茲蝪隠娃軣磴い�三角点はこちらにある。ここも人で一杯だが、尾瀬沼全体が良く見渡せる。御池目指して早々に下り始める。急な岩場はすぐ終わり、コバイケイソウ、タカネナナカマドなどの間の急な尾根道を進むと、ガレ場になった。正面に会津駒がくっきりと見える。この辺りからぬかるみの道となり、赤土の溝状で歩きにくい。

俎�瑤砲� 柴安��
 
オオシラビソが登場した頃ようやく熊沢田代に着いた。青紫のタテヤマリンドウや羽状の実を付けたチングルマが見渡す限りキンコウカの大群落の中で目立たない。昨日は曇り空の下でさえなかったキンコウカだが、広々とした傾斜湿原の陽光の下では華やかだ。綿毛を飛ばされてしまったワタスゲの残骸がたくさんある。先程まであんなに暑かったのに、ここはいい風が通り抜けて気分爽快。緑の中に白い木道が鮮やかなコントラストを描いている。

草原を 渡る涼風 心地良く

緩やかに登る木道の両脇には、花の終わったコバイケイソウやモウセンゴケ、チングルマがたくさんある。背の低いサワラやコメツガが点々と並び、再びぬかるみ道が続く。遥か前方眼下に御池の建物と駐車場が見えた。ダケカンバの巨木が大きく枝を張って立派だ。その下の斜面にも同じような巨木が何本もある。濡れた大きな岩がごろごろして段差が大きく、木の根も張り出し、水も流れて泥んこ。下手をするとズボッともぐって全く歩きにくく、非常に疲れる。木道があればいいのだが。

足取り重く広沢田代にようやく着いた。ここも濃い紫のコバギボウシやキンコウカの群落に埋め尽くされている。たくさんある池塘にはサンショウウオがいた。高度が下ったのでオオカメノキが多くなる。ブナ、ダケカンバの巨木の森だ。ようやく斜度が落ちたが道は延々とぬかるんでいる。ようやく裏燧林道に合流して、長いぬかるみ歩きから解放された。すぐに大きな駐車場到着。御池は沼山峠の入り口である為、マイカー登山基地となっており、ホテルのような御池ロッジなど一大観光拠点と化していた。

追記:24年振りの尾瀬は木道の行列と小屋の混雑を覚悟してきたが、鳩待と山ノ鼻、燧の山頂以外は空いていた。特に原の小屋は静かで食事も良く、部屋も清潔で気に入った。また、全コースを通してゴミがなく、マナーが向上したのは喜ばしい。