真夏の本栖湖

日  時:2001年7月14日(土)〜15日(日)
天  気:14日 晴ときどき曇り、気温猛烈高く東の風やや強し
    15日 晴、気温高く風弱し
行  程:14日 河口湖IC−1210本栖湖レイクサイドキャンプ場(幕営)
15日 1300キャンプ場−1345,1400精進湖−1430河口湖IC

【1日目】
「いやー、暑いなー」標高は900mあるはずだが、真夏の強烈な日差しを浴びて猛烈に暑い。ここは本栖湖北岸のレイクサイドキャンプ場。出発が遅れてしまい、首都高も中央道も大渋滞にはまって、ようやく今たどりついたところだ。夏休み前ということもあってか、車もテントも少ない静かなキャンプ場である。早速アカマツ林の中にテントを張る。焼きうどんとビールで昼食を済ませ、カヌーを組み立てるとアルミのフレームが触れない位熱くなっている。

本栖湖 本栖湖
 
案内にあったとおり水が透明度抜群だ。浜は暑いが、湖面に漕ぎ出すと水は冷たく、風が涼しくて爽快である。「あそこまで行きますか」2km強ある対岸のこんもり盛り上がった竜ヶ岳を目指す。キャンプ場の辺りは入り江になっていて風も波もなかったが、少し沖に漕ぎ出すと、向かい風がきつく波しぶきを浴びるようになる。横波を食らうと沈しそうなのでしっかり漕がないといけない。こうなるとカメラを出す余裕はない。舳先がぐっと持ち上がって波を越えると、ドーンと落ちて次の波をかぶってビショビショになる。

飛沫浴び スリル味わう カヌーかな

まさかこんなに波が出るとは予想せず、静かな湖面散歩のつもりでスプレースカートを付けてこなかったので、水が艇の中に結構入る。竜ヶ岳はまだまだ先だ。F氏はどんどん行ってしまう。ゴム艇のT氏はかなり遅れたようだ。時折モーターボートやジェットボートが走り回っている。ウィンドサーフィンも多く、強い風を受けて飛ぶように右に左に波を切って豪快に突っ走っている。あれ位飛ばしたら面白そうだ。左手には頭を雲に隠した富士山が見える。

本栖湖 本栖湖
 
巨大なゴムボートのような観光船のような妙な船が遠くを横切って行く。漕いでも漕いでも対岸は近くならずF氏との距離も縮まらない。振り返るとT氏はキャンプ場へ戻ったらしい。益々風と波は強くなり、結構まじで漕がないとやばくなってきた。パドルがあおられる。後ろのキャンプ場は遥か彼方に霞んでおり、とにかく前に進むしかない。

強風に パドル煽られ 難儀する

ようやく対岸が近づいてきたので、1,2,3とパドルを漕ぐ回数を数えてみる。100、200、300、400、500まだ着かないので数えるのは止めた。F氏が上陸したのが見える。最後のひとふんばりして続いて上陸。キャンプ場から1時間掛かってしまった。ライフジャケットを着けたまま少し泳いでみる。もう3時を過ぎているので写真を撮ってすぐに漕ぎ出す。斜め右からの強い追い風である。

右寄りにコース取りして、大波を後ろから受けるようにしてみたら、これが大当たりで波乗り状態になってあっという間にF氏を置き去りにする。後ろから波が艇をぐっと持ち上げた瞬間に一生懸命漕ぐと、さーっと波の上に乗って一気に進む。これを何度か繰り返すと、たちまちキャンプ場の浜が近づいて来た。往きに1時間掛かったのに帰りは22分だった。F氏も間もなく到着。

波に乗り 一気に進む 気持ち良さ

T氏はテントで休んでいた。夕食はカレーと焼きとうもろこしとビール。隣のテントのカップルにカレーを分けるとビールのお礼が返ってきた。のんびり夕闇迫る湖面を眺めていると遠くに人が浮いているようだ。よく見るとウィンドサーフィンを起こせなくて流されているらしい。しばらく見ていたが、ほとんど動かない。「どうしたのかな」「キャンプ場のボートを出してもらおうか」「これはやばいんじゃない」「一寸見に行ってみよう」すぐに着替えてカヌーを出す。

数分で近づいてみると、若い女性がボードを引っ張りながら一生懸命泳いでいた。やはりウィンドサーフィンをしていて流されてしまったらしい。湖上で分解して帆をたたみ、岸を目指していたようだ。手に持っていた長いポールを預かり、3艇で囲んでエスコートする。T艇の後ろをつかませて引っ張る。「すみません。助かりました」「もう大丈夫ですよ」「護衛されているみたい」すぐ浜にたどりつくと、心配した仲間の車が来ていた。その女性は何時間も冷たい水の中にいたようで、足が紫色になっていた。一寸した救援活動はあっさり終わった。隣のテントのカップルも心配して見ていたらしく、「ご苦労様でした」と声を掛けてくれた。

後は、昼間集めておいた枯れ木で焚き火と花火を楽しみ、コインシャワーを浴びて、早々にテントに潜り込む。家族連れやカップルがほとんどで、騒ぐ若者がいないので夜は静かなものだ。

【2日目】
6時半起床。やや涼しい。サニーレタス・トマトのグリーンサラダときゅうり・タマネギ・レタスのツナサラダにロールパン、コーヒーという洋風朝食。右隣のテントにサラダを分けたら、今度は桃のお礼が帰ってきた。少し休憩して、またカヌーを出す。今日は風もなく湖面はどこまでも穏やかだ。のんびり富士山をバックに写真を撮りながら、左手の岸沿いに進み、溶岩の浜に上陸する。近くの岩場で犬と子供が泳いでいるので、我々も泳いでみる。水は冷たいがライフジャケットを着ているので寒くはない。

本栖湖 本栖湖
 
爽やかな 湖上を進む 仲間達

更に東岸沿いに南下すると、一羽の白い大きな鳥が湖面をこちらに進んでくる。寄って来たのはあひるだった。あひるは動物園でしか見たことがないが、野生なのだろうか?遊覧船乗り場に近づくと、昨日見た「巨大なゴムボート」のような船が丁度出発する所だった。ゴムボートのようなデザインの結構大きな観光船である。デッキの観光客がこちらを見ている。

本栖湖 本栖湖 本栖湖
 
あちこちでモーターボートに引かれた水上スキーをやっていると思ったら、「スキー」ではなく「ボード」だった。「スキー」より簡単らしいが、名前は何というのだろう。水上ボードもいいが、あの爆音は何とかならないものか。浜に戻ってテントを撤収。帰りに本栖湖を一周してみると、キャンプ場は他にもたくさんあったが、ここが一番静かで落着いていた。精進湖にも立ち寄ってみたがこちらは完全に観光地だった。