カヌーマラソンIN丹沢湖1998

日  時:1998.7.19〜20
場  所:神奈川県足柄上郡山北町丹沢湖
参加種目:5Kmファルト艇K1(IJ氏、I)、オープン(F氏)
エントリー数:約400艇(5Km,10Km各200艇)
順  位:5Km200艇中  IJ氏46位、F氏49位、I不明(審判見落としらしい)多分100位ぐらいだろう

ロッジの屋根をたたく雨音で目が覚めた。まだ、夜中の2時である。前夜は夕食が早く、ビールも効いてか7時には皆沈没。何と健康的!かなり激しい雨で大会の成立が気がかりだが、今のうち降っておけば何とかなるだろう。朝6時、雨は上がった。ここは標高300m位だが窓を開けるとかなり涼しくさわやかである。山に囲まれた空は曇っているが、ガスは晴れてきており天気は回復模様。6時半朝食。8時45分、地元の青少年による洒水太鼓が響き、開会式が始まった。神奈川国体関連イベントなので、副知事やら町長やら県会議員の挨拶が続く。セレモニーの後、レースの説明が始まると後ろにいた参加者達がどっと集まる。皆、結構入れ込んでいるなー!

スタートまで十分時間があるので、肩ならしに少し漕いでみる。湖面にはスタートラインを示す大きなオレンジの浮標がセットされており、レース前の雰囲気になってくる。西の空の雲が切れ、青空が顔を出した。暑くなりそうである。イベント会場のテントをのぞき、早目の昼食を済ませて、10Km組のスタートを見に行く。応援の人や大会関係者が大勢土手に並んでいる。カメラを構える人も多い。湖面一杯に広がった200艇の色とりどりのカヌーが合図と共に一斉にスタート。シーカヤックとスラローム艇なのでさすがに早い。みるみる遠ざかって行く。

いよいよ、5Km組のスタートである。1人乗り、2人乗りのファルト艇(折畳み式カヤック)、カナディアンカヌー(オープンデッキの2人乗り)が次々に湖面に浮かぶ。ぬいぐるみをかぶったり、大きなドラエモンを前に乗せた艇もあり、お祭り気分が盛上がる。「スタート10分前」の声が掛る。皆、少しずつスタートラインに近づくので、前の方は混んでくる。100m以上あるダム湖の幅一杯を使ってスタートするのだが、200艇ともなるとギューギューである。「スタート3分前、静かに前に出て」のアナウンスで皆一段と間隔を詰め出す。ほんの少し緊張感が漂うが、静かな水の上なのでのんびりしたものである、と思ったのは大間違いだった。

11時30分。「レディーゴー」の掛け声とともにピストルが鳴り、一斉にパドルが回り出した。「おー、みんなマジだー。話が違うぞー」静かだった湖面がにわかに波立ち、結構揺られて瀬のようだ。前も左右もカヌーだらけ。パドルがぶつかりそうで強く漕げない。後ろから出たのは失敗だー、と気付いたがもう遅い。まあ、適当に着いて行くしかない。いつのまにか先頭は遥か彼方。相棒の二人も大部前の方だ。スタート時の横隊が縦長の行列になってきた。

意外だったのは重くて遅いと思った2人乗り艇が早かったこと。少し前を行く女子2人艇があり、近づこうとしたが中々追いつかず。一人が少しさぼっても余りスピードが落ちない。クヤシイ。しばらく追っているうち、10Km組のトップがもう帰ってきた。45分で8.5Km位というとんでもないスピードだ。「エーと、時速は何キロかなー?」思わず観戦者になって見とれてしまう。早いピッチの軽快なパドル捌きで、あっという間に行ってしまった。2位は遥か後ろだ。

ようやく、女子2人艇に追いついた頃、前方に2.5Kmの折り返し点が見えて来た。と思ったら、5Km組の先頭グループがすれ違って行った。次々に帰っていく。相棒の二人もいい線いってる。我が艇は真ん中より後ろだ。折り返しポイントでは審判艇がゼッケンを確認して、番号を叫んでいる。そろそろ追い上げたいと思うが、皆ほとんど同じスピードで中々抜けない。3Km過ぎて腰が痛くなってきた。この辺りから、10Km組の遅い艇と合流する感じになる。抜かれたシーカヤックを目標に、ピッチを目茶苦茶に上げてみる。ストロークを長く、強くしてゆっくり漕ぐのとどっちがいいのかな?

暑さと腰の痛みに耐えながら、1艇、2艇とつかまえていくうち、もうゴールが見えてきた。最後の数百mは死にもの狂いで漕ぎ、ようやくゴールイン。陸のマラソンとは違い、心臓がバクバクするほどではない。タイムは自分の時計で約40分。(時速約7.5Kで思ったより早い)相棒の二人は36分台だった。同じ、検見川浜仲間の八木沢倶楽部のシーカヤック軍団が10名以上参加。二人艇の部でO・K氏が1位だった。

3人とも初めてのレースで勝手が分らなかったが非常に面白かった。他の大会にも出てみたい。今度はもう少し前の方からスタートして、前半から飛ばしてみよう。丹沢湖は1978年に完成した神奈川県民の水瓶だが、予想以上に透明度が高く、水がきれいで気分が良かった。昔、ザンザ洞、同角沢など西丹沢の沢登りにに通っていた頃はずっと工事中だった。今回、国体イベントとして特別に湖面が解放されたのだが、山北町の町起こしの為にも毎年開催して欲しいものだ。