第2回印幡沼カヌーマラソン

日  時:1998.10.18(日)
場  所:千葉県佐倉市ふるさと広場(鹿島川竜神橋脇)
参加種目:スラローム・シーカヤックの部(F氏、T氏)エントリー約20艇
ファルト・ポロの部(I)エントリー数 約20艇
記 録:F氏 スラロームK1男子40歳以上の部3位 28分53秒(出場7艇)
T氏 スラロームK1男子40歳以上の部7位 33分17秒(出場7艇)
I ファルトK1男子16歳以上の部 4位 30分12秒(出場5艇)
天  候:雨のち曇りのち晴(台風10号の余波で強風止まず)
主  催:佐倉市青年会議所
コース:強風のため6kmから3.5kmに短縮。コースも沼から鹿島川に変更
参加料:3,000円(佐倉の味噌、Tシャツ付)

台風10号は通過したが風雨は止まず中止だろうと思いながら印幡沼を目指す。印幡沼に着いてみると、波はそれ程でもないが風はかなり強く、雨がたたきつける中へ漕ぎ出す気にはなれない。中止してほしいと思いながら大会の受付へ行ってみると、どうやらコースを変更し距離を短縮して実施するらしい。余り気分が乗らないがFさん達を探しに行く。土手の駐車場でF・T氏を見つけ早目に食事をしておくことにする。分けてもらったおにぎりを食べ終わる頃開会式が始まった。

まだ、艇の組立てもしてないので、式は二人に任せて車へ急ぐ。フレームの組立てにかかった所でトラブル発生。1本のフレームのアクリル部分が固まって伸びなくなっている。ヤバイ。夏に富浦へ行った時の洗浄が不十分だったらしく塩分がこびりついたようだ。ドライバーでたたいても、水に浸けてもダメ。スタート時間まで1時間を切った。参った。今日はもうリタイヤかと半分あきらめ、F氏に助けを求める。3人で引っ張ったがびくともしない。「万事窮す」と思ったら救いの神が現れた。F氏がプライヤを持ち出し、アクリル部分をひねるとやっと動いた。いやー、助かった。急いで組立て、滑り込みで検艇を受ける。シーカヤック・スラローム組のスタート直前だった。

F・T氏はスラロームにエントリーしている。急いでカメラを持って見送りに駆けつける。強い風雨の中、20艇余りが竜神橋をスタート。鹿島川を沼へ向って一旦下り、沼の入り口でUターンして川を溯り、また竜神橋まで戻ってくる約3.5kmのコースである。左手に佐倉名物のオランダ風車が見える竜神橋の上で待っていると、シーカヤックのトップがもう沼の方から折り返してきた。強風をものともせずスイスイ滑って行く。F氏は10位くらいで通過。T氏は大分遅れている。そろそろ、ポロファルト組のスタートである。

あしが茂った岸辺から艇を出す。どうも泥の中に足を付けて乗り込むのは気持ち良くない。早くもシーカヤックの先頭が帰って来た。20分位だ。我々のスタート直前にF氏もゴールした。追い風と川の流れに押されてスタートラインを越えそうになるのをバックストロークでこらえる。後ろから次々帰ってくるので、集中できないまま何となくスタート。前回の丹沢湖の教訓で最初から先頭に付いて行くつもりでダッシュする。ポロ組がやはり早い。今の所ファルト組の先頭だ。このままの位置を維持したい。

ところが強風で右へ流され、直進出来ない。左へターンしてもすぐ右へ流される。ジグザグでもたもたしているうちに段々抜かれて行く。沼の手前でUターン。今度は川を溯ることになる。川の流れはそれ程でもないが、相変わらずの台風崩れの強風は手に負えない。ターンしたのに追い風にならず、誰かが艇の後ろを押さえているみたいで全く進まない。岸辺を見れば多少は前に進んでいるが、パドルが風であおられて思うようにならず漕ぐのがいやになる。風を少しでも避けようと岸辺に寄ってみたが、長く伸びた「あし」の葉先が邪魔でかえって漕ぎづらい。前の艇は段々遠くなるし、右や左にフラフラして情けないことおびただしい。

また一人抜かれた。後ろを見ると「あらーっ」二人しかいない。「びりになるのはいやだよー。 かんべんしてくれー」やっと折り返し点が見えて来た。ポロ艇やファルト艇が次々にすれ違って行く。先頭の二人艇はさすがにピッチが違う。その時、風の音の中で誰かに呼ばれたような気がした。相当疲れたとはいえ、とうとう幻聴まで出たか。また、聞こえた。良く聞いてみると、遠くの方で「い・が・た・さ・ ん・が・ん・ば・れ・―」と叫んでいる。Fさんである。レースを終えたFさんが土手を遠くまで走って応援に来てくれたのだ。声援を受けて何かをするなんていつ以来だろう。

20年くらい前の会社の運動会でのマラソン以来かな。そんなことを考えていると、折り返し点でまた追着かれた。ファルト艇の若い体格のいい人だ。うしろはもう初心者と思しきポロ艇の女性のみ。これ以上抜かれてたまるか。何度も何度も飛んでくる「ガンバレー」に後押しされて死にもの狂いで漕ぐ。風に向って脇目も振らず、目一杯パドルを振り回す。さすがに相手も疲れているのだろう、徐々に下がって行った。相変わらずの風に舳先を振られながら、何とか前進する。

前も後ろも差が開いて広い川面に一人取り残された感じがするが、F氏の声はどこまでもついて来て心強い。声援があると全然違うものだ。テレビでマラソン選手が「沿道の皆さんの声援に励まされた」と言っているのが、お世辞ではないと分った。ほんとに力が出て来る。ようやくゴールの竜神橋が近づく。何とかびりにならずにゴールイン。ヘロヘロだ。わずか3.5kmだったが、経験したことのない強風の中でのパドリングは厳しく、前回の5kmより疲れた。来年はもっと練習して頑張るぞー。台風のお陰で参加者が少なくさびしい大会になったのは残念である。しかし、今回F氏が3位に入賞し、銅メダルをもらったことは特筆すべきである。

残念ながらこの大会はこの後開かれていない。