森の雑学その7 花粉症の原因は?


●スギは泣いている  花粉症の原因は?

*テレビの天気予報でスギやヒノキの「花粉飛散情報」が流されるようになったのはいつ頃からだっただろうか。今ではすっかり定着して「明日は非常に多い」などと報じられると気が重くなる人も多いだろう

*完全に悪者扱いされるスギ花粉だが、
花粉単体では発症せず、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOX)と花粉の複合が原因である ことが突き止められている。筆者も25年ほど前に大田区蒲田に転勤してから数年で発症した。通勤路の第1京浜は大型トラックが列をなして走っている所だ

*トラックが走らない山奥に住む人に聞くと花粉症の人はいない。石原都知事がディーゼルエンジン規制を強化した東京都では花粉症患者が減っている。このことは何故か報道されないので知らない人が多い。また他県では規制強化の動きはない。トラックメーカーや運送業界に遠慮しているのだろう

*高度成長期に全国で拡大造林されたスギやヒノキは間伐が必要になっているのだが、林業不振により大部分は放置されたままだ。間伐と枝打ちが適切になされれば花粉量も激減していたはずだ

*林野庁等では花粉の基である雄花が少ないスギ・ヒノキを選別して植樹することを始めている。千葉県の林業事務所でやり方を聞いてみると選別して植えるのではなく、植えてから雄花の付き方を観察し多いものをマークしておき数年続けて多ければ伐ってしまうそうだ

*しかし全て植え替えるには数百年掛かるだろう。全国的なディーゼルエンジン排気ガス規制強化が即効性のある対策なのだが、マスコミは何故取り上げないのだろうか。腹立たしい限りである

*スギに罪は無い。花粉症の原因ということでスギを伐採してはならない



2011.3.23