残雪の刈田峠から屏風岳(1825)不忘山(1705m)
 
日  時:2008年5月18日(日)
天  気:快晴のちくもり
行  程:540白石−650,710刈田峠駐車場〜714登山口〜820,830杉ヶ峰〜930,940屏風岳〜1020南屏風岳〜1050,1120不忘山〜1020南屏風岳〜1050,1120不忘山〜1155南屏風岳〜 1228,1238屏風岳1302芝草平〜1326,1333杉ヶ峰〜1424登山口〜1428刈田峠駐車場

ルート断面図とルート図
前烏帽子岳断面図 前烏帽子ルート図
カシミール3Dにて作成しています

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不忘山
杉ヶ峰から刈田岳(中央手前)熊野岳(中央奥)を望む。左は地蔵岳

雲一つ無く晴れ渡った空の下、周囲にはたっぷり雪が残った刈田峠の駐車場に車を置き、ハイライン宮城県側入り口の先にある登山口から山道に入るとすぐに一面の雪原となり道は消えてしまった。今日は杉ヶ峰から屏風岳、南屏風岳を経て不忘山を目指しているのだが、雪が多ければ南屏風岳辺りで引き返すことになるだろう。 初夏の陽光を浴びて輝く雪原の中、途切れがちなトレースを追いながら進む。広々とした雪の上にはオオシラビソだけが点々と並んでおり、視界が大きく広がって無雪期とは雰囲気が全く違う。年配の単独行の人に着いて行くと、ルートから左に離れ過ぎたので右へ戻る。刈田峠避難小屋分岐の半分雪に埋まった道標を発見。

ここから再び夏道を行く。暑くて大汗。また道が雪に隠されたのでトレースに従ってかなり左の雪原を進む。前を行く年配者は雪道に慣れている感じで随分早い。そよ風が心地よく、8時前、前山を通過。杉ヶ峰や後烏帽子がくっきり見えるが吾妻連峰方面は霞んでいる。気温は12度。 また風がなくなり暑い。ウグイスの声がオオシラビソの森に木霊する。杉ヶ峰の上りは道が出ていて、日陰には薄氷が張った部分もあるが、雪解け道の大半は泥んこだ。8時20分、1745mの杉ヶ峰着。笹原を少し下ると突然目の前が大きく開けて大雪原がドーンと広がった。
 
不忘山
杉ヶ峰方面からから芝草平、屏風岳を望む(左屏風岳、右南屏風岳)

正面に屏風岳、右に南屏風岳が連なり、手前には芝草平、そして屏風岳の左には後烏帽子がちらりと覗く。大パノラマにワクワクしながら広い雪原を駆け下り、木道が雪に埋まった芝草平を通過。雪は多いがほとんど潜らないので快適だ。見渡す限り誰もいない真っ白な平原から屏風岳の登りに掛かる。 東に雲が出て熊野岳が隠された。無雪期には石の階段になっている辺り急傾斜の雪面が続く。振り返ると立ち枯れも混じるオオシラビソの森と雪に覆われた杉ヶ峰、刈田岳が青空をバックに静まり返っている。絵になるいい雰囲気だ。9時過ぎに烏帽子岳への分岐を通過し、9時半、屏風岳に到着。なんと山頂付近には雪が無くてびっくり。休んでいると2人パーティーが追い着いて来た。ここからはわずかに雪が残ってぬかるんだ部分もあったが、道が完全に露出してほぼ乾いており、夏山と変わらない。これは全く予想外だった。

不忘山 不忘山 不忘山 不忘山
 
不忘山
屏風岳から南屏風岳(中央)を望む。左奥は不忘山

 
10時20分、南屏風岳通過。10度、風が冷たい。11時前、不忘山にあっさり着いてしまった。 空は晴れているが周囲は霞んで遠望は利かない。先客は3人。白石スキー場から上がってくる人もチラホラ。昼食を済ませて引き返す。12時前、南屏風岳を通り過ぎる。ガスが出て展望が無くなり北側のみわずかに見える。水引入道への分岐付近はわずかに雪があり道がぬかるんでいる。 12時半、屏風岳で休憩。13度。ほとんど風は無い。ダケカンバの冬芽もシャクナゲの花芽もまだ固い。雲が切れて広がった青空に飛行機雲が伸びる。緩やかに下ると再び雪の斜面となり、道は消えた。13時前、烏帽子分岐通過。13時過ぎ、芝草平。振り返ると屏風は見えるが南屏風は雲の中。 大勢通過したらしく朝来た時より踏み跡がはっきりした大雪原を快調に進む。杉ヶ峰への急な登りにトレースが真っ直ぐ伸びている。雪原が尽きて笹原に入るとまたもや泥んこ道に突入。

不忘山 不忘山 不忘山 不忘山 不忘山
 
不忘山
不忘山から南屏風岳と屏風岳を望む。右奥は後烏帽子岳、右手前は水引入道

 
13時半、杉ヶ峰で休憩。上空は青空だが周囲は雲に覆われほとんど展望は無い。 刈田岳や熊野岳も雲の中で地蔵岳だけがちらりと見える。この辺りの道は乾いている。岩の急な下りから笹薮の緩やかな下りになると前山が見え出す。ウグイスがすぐ近くで鳴いた。鞍部から雪原となり前山への登り。トレースに導かれて夏道に入る。14時前、前山の表示板通過。 往路では東側を巻いたのでここは通らなかった。所々雪が深く踏み抜くこともあり。岩の急斜面が終わるとオオシラビソの森は雪の中。樹林を抜けるとまた大雪原が広がった。緩やかに登って行くと木道が現れた。勢いよく雪解け水が流れて木の階段は水没している。14時半少し前に登山口帰着。