壺足の前烏帽子岳(1401m)
 
日  時:2008年4月5日(土)
天  気:晴れ
行  程:856烏帽子岳登山口〜950,1005960m地点〜1140前烏帽子岳〜1150,12051300m地点〜1305渡渉地点〜1315登山口
前烏帽子岳
前烏帽子岳山頂の展望(左から馬の神岳、水引入道、南屏風岳、屏風岳。右端は後烏帽子岳)


ルート断面図とルート図
前烏帽子岳断面図 前烏帽子ルート図
カシミール3Dにて作成しています

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3月末にスキーで右肩の腱断裂という怪我をしたので、肩が上がらずストックも持てない。当分スキーは無理なので、久々に雪山を歩いてみようかと思い立って、蔵王連峰の前衛峰である烏帽子岳へと向かう。雪が多いだろうから後烏帽子は無理かもしれないが、前烏帽子までは何とかたどり着きたい。 天気は言うことなしの快晴。えぼしスキー場手前の広い駐車場に車を置き、おにぎりの朝食を摂って出発しようとしたら何と山靴がない。最近ボケがひどくて困る。 雪山に運動靴では登れないので仕方なく白石まで引き返す。往復50km、1時間以上のロスだ。高いガソリン代ももったいない。8時45分、駐車場に戻り雨具のズボンとロングスパッツを付け、9時前出発。予定より遅れたし荷が軽いのでペースを上げる。この辺り明るいカラマツ林だが全くの冬姿で芽吹きはまだまだ先のようだ。

落葉松の芽吹きも遠き烏帽子かな


前烏帽子岳 前烏帽子岳 前烏帽子岳 前烏帽子岳
 
15分で小阿寺沢の渡渉点に着いた。周囲にはわずかながら雪が残っている。雪解けで増水していると思いきや、意外に水量は少なく何なく渉る。気温は10度。標高800mを過ぎた辺りから雪が増えて半分雪道となる。900m辺りからは一面の雪斜面となった。駐車場には乗用車が2台あったけれど、登山者のものではないらしく新しい踏み跡はない。古いトレースも微かで夏道が隠れて分かりにくい。 坪足なのでしょっちゅう膝上まで踏み抜いて疲れる。やっぱりワカンがあった方がいいようだ。しかし右手で樹につかまっても肩の痛みは全然感じない。気温は6度で風が冷たい。

960m付近で平坦な雪原となり1本立てる。雨具の上着を着込み手袋と帽子を冬用に変え、日焼け止めを塗る。 ここには赤テープがあったが、その上は広い雪の斜面で赤テープが見当たらず、ブナやダケカンバの間の広い所を選びながらとにかく上を目指す。右下(北方)にえぼしスキー場が見え始め、その奥に雁戸山もよく見える。先月末に営業終了したスキー場に人気はなくゴンドラも止まっている。 夏道不明のまま左へトラバースしながら斜上し、1時間以上歩いてようやく赤テープを見つけホッとする。上部は雪が締まってほとんど潜らないので、足取り軽くピッチも上がる。気温は9度だが、風がなく日差しもきついので大汗をかく。真っ白な雪が眩しい。 ほとんど雪を落としたオオシラビソの間を縫って進む。積雪は1m以上ありそうだ。


前烏帽子岳 前烏帽子岳 前烏帽子岳
 
11時40分、歩き始めて3時間弱で大岩が積み重なった前烏帽子のピークに着いた。夏道より左へ進み過ぎてかなり遠回りしてしまった。もう昼に近いので後烏帽子は時間的に厳しい。無理せず今日はここまでとする。 目の前はスパッと切れ落ちていて、谷向こうには真っ白な屏風岳や不忘山の稜線が良く見える。ここは風が強くて寒いので少し下って1300m付近のオオシラビソの木陰で昼食にする。辺りは春の陽光に包まれて雪の斜面を渡る風も温かい。深雪の下りは楽チンだ。 大股で雪を蹴散らしながら一直線に駆け下る。また汗ばんで来たので雨具の上着を脱ぎ、帽子と手袋を夏用に戻す。

跳ね降る雪の尾根道我一人

13時過ぎ、渡渉点を通過し、登山口には13時15分帰着。依然として晴れ渡った空にはわずかに薄雲が掛かっている。いつも通り北原尾集落の孝の湯に浸かって帰路に着く。こんなに手近に素晴らしい雪山があって、しかも誰にも遭わず、独り占め出来るなんて信じられない。次は後烏帽子まで行ってみたい。