初夏の殿平(812m)
 
日  時:2007年5月27日(日)
天  気:快晴
行  程:737東京―835,844高尾―932,935初狩〜1008,1015子の神社〜1044,1053700m付近〜1124,1345殿平〜1535,1541初狩―1632高尾


ルート断面図とルート図
殿平断面図 殿平ルート図
カシミール3Dにて作成しています

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高尾8時44分発小淵沢行きは日曜日にもかかわらずそれ程混んでいない。天気は快晴だが、車窓の山々は何となく霞んでいる。数日来報道されている通り、中国から黄砂が飛んで来ているのだろう。昨年12月の大久保山でHさんが足を怪我して以来活動を中断していたYACだが、5ヶ月ぶりに活動再開、目指すは3年前の正月にも登った殿平である。 初狩駅前の小広いロータリーは中高年登山者のグループで賑わっている。彼らは高川山へ行くのだろう。駅前の道はすぐに甲州街道にぶつかる。ここを左折し宮川を渡ると左手彼方に白い富士山がかすかに見える。藤沢入り口の交差点を右折、少し下って笹子川を渡る。



地蔵峠 湯の丸キャンプ場 烏帽子山頂にて カラマツ林
 
気温はもう28度もあるが、風があるし湿気がないので爽やかだ。中央高速をくぐり、藤沢集落の緩やかな坂道をのんびり上って行くと庚申塔や馬頭観音などの石塔が並んでいる。皆で年号を探していると、坂を下って来た地元のおじさんが話し掛けて来た。 「庚申塔は村の入口を示す目印で、時代は弘化3年 江戸後期・・・」 などと親切に色々説明してくれる。10時過ぎ、子の神社到着。何度も見ているが境内の《藤沢の大杉》はでかい。幹回り9m、高さ45mと案内板にあるが、樹齢はどれくらいだろう。日陰になったので少し気温が下がった。神社の裏から杉林の急登が始まる。薄暗い森の中にはコシアブラやダンコウバイなどの幼木が多い。 登るに連れて風が強くなり涼しい。コナラ、ウダイカンバ、ホオノキ、アカマツ等の混交林となった。オオカメノキは花が終わっている。斜度が緩むと、今度はヒノキの植林に変わった。エゾハルゼミが控え目に鳴き出した。右手が開け再び富士山が姿を現したが、ほとんど霞んでしまっている。

TVアンテナのある700m付近で2本目を立てる。以前も休んだ場所だが、眼下に初狩の街が広がっている。気温は22度と高いがそれほど汗を掻かない。右は再び杉林となり、左側はコナラなどの落葉樹林だ。2つ目のTVアンテナの辺り一帯にワラビがびっしり並んでいる。 ほとんど平らな道が続く。百反刈山(797m)はいつの間にか通り過ぎたらしく下りとなった。20m程下って登り返す。ヤマフジの花が道のすぐ脇にぶら下がっている。ヤマツツジの朱色の花もチラホラ。最後の登りは短いが急斜面の直登で若干厳しかった。11時24分、樹林に囲まれて展望のない山頂に到着。


地蔵峠 湯の丸キャンプ場 烏帽子山頂にて
 
三等三角点がある狭いピークにはもちろん誰もいない。ここは冬であれば樹間から滝子山、白谷丸、黒岳、雁ガ腹摺山、南側には九鬼山など道志の山々が見えるのだが、今は葉が茂って何も見えない。早速、一番平らな所にシート2枚をドーンと広げ、ワイワイ賑やかに宴会モード突入。ビールやつまみが続々と出て来る。Hさんの復帰を祝ってビールで乾杯!皆、半年振りの山上の宴に喜色満面。上空にはかなり風が吹いているようで木々が結構揺れているが、ここはうまい具合に風が当たらなくて快適だ。 KJシェフがコンロを点けて定番のベーコン玉葱炒めやコンビーフ野沢菜炒めなど次々に調理。Y氏は餅焼き当番だが、焦がしてはからかわれている。周りを見渡すとコナラ、サワグルミ、ダンコウバイなどの若葉が風に揺れ、正に風薫る初夏を満喫だ。

風揺らす小楢の梢輝きて

2時間を超える大宴会を温ソーメンと紅茶で締めて下山開始。3年前と同様、キャンプ場の方へ向かう。やせ尾根を行くと数分で分岐があったが直進する。しばらく進むと上りになったので、道が違うと気が着いた。急ぐ旅でもないのであわてることもない。 分岐まで引き返して本来の道へ進む。間もなく沢の音が聞こえ始め、荒れ果てて廃墟のようなバンガローが点在するキャンプ場を通過。前回、皆で遊んだブランコは生い茂る草木に埋もれてしまっている。キャンプ場は廃墟だが、横を流れる沢の水は抜群に澄んでいて小さな魚がわんさと泳いでいる。 山頂から50分程で舗装された林道に出た。少し下ると滝子山からの道と合流。ここには大きな案内板がある。藤沢川沿いの谷間には棚田があちこちにあるが、一部田植えがされているものの、ほとんどは耕作放棄で草ッパラになり、哀れをとどめている。 15時前、子の神社に差し掛かった所で滝子山から下りて来た中高年の団体に追い着かれた。ほとんど女性だ。彼らを遣り過して藤沢集落にあるベンチで休憩し、残りのウィスキーやグレープフルーツを楽しむ。かろうじて見える富士山が見送ってくれていた。