晩夏の破風山(1674m)
 
日 時:2006年9月9日(土)
天 気:くもり時々晴れ
行 程:635船橋駅−930河口湖IC−1020,1035登山口−1123,11301440m地点−1200,1205新道峠−1230,1310破風山−1355,14001350m地点−1420,1455登山口−1700河口湖IC−2030船橋駅

ルート断面図とルート図
破風山断面図 破風山ルート
カシミール3Dにて作成しています

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昨年の滝子山に引き続き、カヌー仲間であるFさん所属のウォーキングクラブメンバーを案内することになった。今回は河口湖北側に聳える御坂山塊の雄、黒岳を選んでみた。天気が良ければ富士山や河口湖が目の前に大迫力で展開するはずだ。船橋駅南口に集合したのはドライバーの二人以外全員女性である。総勢10名車2台に分乗して出発。京葉道路、中央道とも予想外の渋滞で河口湖ICには予定より30分遅れで到着。石川PAでは霧雨が降っていたが大月を過ぎると雨の気配はなくなり、青空も覗き始めた。しかし、富士山は厚い雲に覆われている。コンビニで昼食を調達して登山口を目指す。運動会で賑わう大石小学校の先を右折、大石の集落と別荘地を抜けると舗装路が尽きた。その先の林道は以前来た時よりかなり荒れており、あちこち溝状にえぐれているので、車の下回りをこすらないよう慎重に進む。両側から草や潅木が生い茂って道を狭くしており、細い枝がボディーにパラパラ当たるが仕方ない。

何とか登山口にたどり着いたがF車は右前輪がパンクしていた。到着直前に岩角にぶつけたらしい。駐車スペースは3台分がやっとで、草むらに突っ込んで何とか駐める。タイヤ交換は下山後と決め、軽くストレッチして立派な案内板の脇から杉林に入る。ここの標高は約1170mなのに気温は24度もある。風がなく湿度も高いのでたちまち汗が噴出す。斜面は急だが大きくジグザグに付けられた登山道はそれ程急傾斜ではなく歩き易い。スギとヒノキの葉や実を拾って違いを解説しながら進む。しばらくすると右手の眼下に河口湖が見え始めた。ドンドンドンと花火の音が響いた。どこかの運動会の合図だろう。
 
ミズナラの虫こぶ シラヤマギク タチフウロ 新道峠
 
足元には白いシラヤマギクやピンクのタチフウロの花が目立つ。ミズナラの葉の表面にピンクのきれいな虫こぶ(虫えい)が付いているが何の昆虫の卵だろう。

風露草連なり咲きて道標

50分歩いたので疲れが出たか女性陣のおしゃべりが途絶えた。1440m地点で休憩。樹間からのぞく青空に白い雲がスカッと気持ちいい。依然として気温は24度。再び歩き始めてしばらくすると、山登りは初めてというTさんが突然歩けなくなって立ち止まってしまった。幸い少し休んだだけで回復してホッとする。傾斜が緩やかになり稜線が近付く。道が尾根の右を巻くようになり、ほぼ平らになると間もなく新道峠に着いた。峠では中年男性4人パーティーが昼食中。やや霞んでいるが河口湖はよく見える。残念ながら富士山は雲の中だ。もう12時で予定より1時間遅れており、これから黒岳まで行くと遅くなるので破風山までに変更する。

河口湖霞みて富士は雲の中

この稜線には針葉樹であるモミも多いが、大部分はミズナラ、ミツバツツジ、ドウダンツツジ、コアジサイ、ハウチワカエデ、リョウブなど落葉樹が立ち並ぶ明るい森が続く。登山道の両側は背の低いミヤコザサに覆われて緑の絨毯のようで、サラシナショウマやタチフウロが彩りを添えている。
 
サラシナショウマ 破風山にて 河口湖方面 御坂山塊
 
緩やかな登りをしばらく進むと、右が開けた場所から大展望が広がった。やや霞んでいるものの一段高い岩の上から河口湖全体がよく見える。右手には十二ヶ岳や中藤山など御坂の山並が間近い。しかし正面に見えるはずの富士山は雲に隠されて全く見えない。パラグライダーが優雅に舞っており気持ち良さそうだ。12時半、破風山に着いた。平坦な山頂なので標識がなければピークとは判らない。ミズナラとモミの森の中にシートを広げ裸足になって座る。

秋空にパラグライダー舞い踊る

見上げれば梢の緑輝きて

腐葉土の上はフワフワして心地好い。今回はアルコールなしでおにぎりを頬張る。ブドウ、リンゴなどの果物やキュウリ、漬物など次々に並べられる。シートに座って見上げると青空をバックに陽光を受けたミズナラの葉がキラめく。記念写真を撮り下り始める。荷物が軽くなって皆足取りも軽い。誰かがトリカブトを見付けた。盛りを過ぎて白っぽく色あせた青花がわずか一輪木陰にひっそりと咲いている。あっという間に新道峠に着いた。最後まで富士山は見えず、雲の下から右の山裾がかすかに見えるのみ。犬を連れた夫婦が写真を撮っていた。奥さんはスカート姿でこの場にそぐわないが、峠の北側直下まで車で入れるから簡単に来られるのだ。峠では休まずそのまま下りに掛かる。登りで苦労したTさんはすこぶる快調でピタリと着いてくるので軽快に下って行くと置いていかれた他のメンバーから早過ぎるとクレームが出た。14時前、1350m地点で休憩。グレープフルーツを分ける。オレンジ色のフシグロセンノウの花が暗い森の中で目を引く。
 
登山口案内板 登山口
 
そこから僅かな下りで林道に降り着いた。パンクしたタイヤをスペアと交換し、15時前出発。河口湖畔の日帰り温泉で汗を流して疲れも取れたが、一人1000円は一寸高過ぎる。その後タイヤ修理の為ガソリンスタンドに立寄ると、何と側面が切れていて修理不能だった。タイヤの在庫もないためそのまま帰路に着く。スペアタイヤではスピードを出せないので80km以下をキープ。高井戸付近に続いて首都高も大渋滞で船橋着は20時半になってしまった。

後記:登山口まで車で入るのは止めるべきだった。段差も多く、両側から草や潅木が伸びて道幅が狭く、スピードはほとんど歩くのと変わらずUターンする場所もない。舗装路の終点から歩いても20分掛からないだろう。タイヤ1本損したFさんには気の毒なことをした。