春模様の百蔵山(1003m)
 
日 時:2004年2月21日
天 気:快晴、無風気温極めて高し
行 程: 900猿橋―910,915福泉寺登山口―922林道終点―945,955ヒノキ林―1010,1020不動尊堂―1040800m三角点―1108大同山―1130,1325百蔵山―1353,1405尾根道―1425,1442アカマツ林―1455,1500浄水場―1550猿橋

ルート断面図とルート図
百蔵山断面図 百蔵山ルート図
カシミール3Dにて作成しています

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今回はポピュラーな百蔵山を西稜からたどろうという計画である。猿橋駅に降り立った我々はタクシー2台に分乗。桂川(相模川)と葛野川を渡って左折すると目の前に岩殿山が迫って来た。空は雲一つない快晴でやや霞んでいるもののフロントガラスの右奥に雁ヶ腹摺山がすっきり見える。葛野川沿いに上って福泉寺という所から歩き始めた。振り返ると尖がった滝子山がのぞく。舗装してあるが車1台がやっとの曲がりくねった狭い道を少し進むと小さな浄水場が建設中だった。その脇を抜けて林道終点に着く。車2台分のスペースはあるが乗用車ではここまで登るのはきついだろう。山道を歩き始めるとすぐ細いパイプの水場あり。

ヒノキやスギの植林帯を行く。気温は駅前の16度より少し下がったがまだ14度もある。9時半過ぎ分岐を通過。《右水晶場》との道標あり、左へ進む。昔は水晶が採れたのだろうか?ジグザグの急登が続き、早くも汗ばんで来た。このルートは小さなバイパスがたくさんあり分岐してはまた合流を繰り返している。ヒノキ林にアカマツ、モミ、ホオノキなどが混じる。この辺りの山域としては珍しく常緑広葉樹が多い。登山口で一緒だった6〜7名の中高年グループが追いついて来たので道を譲る。どこまでも同じ常緑樹がたくさんあるので図鑑を確かめるとアラカシと判明。《粗樫》と書く。樫の仲間では一番ポピュラーだそうで、葉の先の方半分だけ鋭い鋸歯があるのが特徴である。
 
福泉寺登山口 不動尊堂 尾根の急登 稜線歩き
 
物置のようなトタン屋根の不動尊堂前広場で1本立て甘い物を補給する。小さな鐘まである。途中で追い越した中高年グループが再び追いついて来たが、また休んでいるので我々が先行する。アカマツ林の急登が続く。小さな祠がいくつかあり賽銭が上げてある。この地の人々は随分信心深いようだ。木の根や岩角を頼りに胸を突く急坂が20分くらい続いただろうか。腹が減ってシャリバテ気味で足が重くなった頃ようやく斜度が落ちて稜線に出た。葛野への分岐を右に折れると楽チンの尾根歩きとなり4等三角点のある800m峰を通過。道の左側はヒノキの植林、右はアカマツの林である。葉が青々としたアセビが目立つ。前方やや左に百蔵山のピークが顔を出している。 「まだ遠いなー」左の奥には権現山へ続く山並みが伸びている。単独者とすれ違う。平坦で歩き易い尾根道をのんびり行くと柔らかな春風が頬をなでる。何とも心地良いが、時折冷たく強い風に変わる。ウリハダカエデやシャラが多くなった。11時過ぎ907m峰に達する。傍らのコナラの幹に黄色いテープが巻いてあり《大同山907m》とあるが、平らな尾根道の一角でありピークとは思えない。

   馬酔木の葉 松風受けて 瑞々し

道標に誰かが忘れたストックが掛かっていたのをSさんが見つけた。しばらく進むと空身の小柄な中年女性が降りて来た。「これですか?」勘のいいSさんが声を掛けると「あーそうです。ありがとうございます。助かりました」うれしそうに受け取ると急いで引き返して行った。 猿橋からのメインルートと合流すると15分程で百蔵山に到着。コナラ等に囲まれた広場のような山頂にはそこかしこに登山者がシートを広げている。南側には真っ白な富士山が大きく見えるが、逆光だしかなり霞んでいて写真には写りそうもない。 昨シーズンは結構雪が多く12月大岱山、正月大久保山、2月鳥ノ胸山、3月末の菰釣山と毎回積雪や降雪があったのに、今シーズンは新年の殿平といい今回といい雪のかけらもない。風当たりの弱い場所にシートを広げようとするが平らなスペースがなくて一寸斜めの場所で我慢する。早速靴を脱いでくつろぐが、傾斜があるので落ち着かない。先程の急登が相当こたえているらしくふくらはぎが吊りそうだ。ともあれビールで乾杯。楽しい宴が始まった。
 
百蔵山山頂 百蔵山山頂 百蔵山山頂
 
いつものベーコン、チーズ、クラッカー、野沢菜、海苔もちなどに加えて今回は玉ねぎやごま油、焼きそばなど新兵器も登場して益々豪勢・美味。調理も本格的になってきた。飲み且つ食べて大いに盛り上がる。 2時間の大宴会を終えて記念撮影し、フラフラと下り始める。山頂から扇山方向に少し下って右に折れる。コナラやアカマツの疎林の急斜面にトラロープがずっと張ってあり、ほこりっぽくて急な道が延々と続く。雲って来たが南面なので気温は20度もある。左手には台形状の扇山が段々大きくなる。急坂が終わりヒノキ林の横で休憩。富士山はほとんど霞んでしまった。傍らにはアセビやヤブツバキ。ようやく舗装路に出てへたり込む。すぐ下では驚くほど大規模な浄水場の工事中だった。大月の人口がどれ位かは知らないがこんなに立派な施設がほんとに必要なのだろうか?ここから市営グラウンドの横を通って駅までのアスファルト歩きはかなり長くて苦痛だった。 中央道をくぐってからのわずかな上りにも足が上がらず参った。皆重い足を引き摺ってトボトボ歩き続け、猿橋の駅には16時前にやっとたどり着いた。山頂から駅まで2時間半近く掛かってしまったことになる。

   足重く 辿る里道 春うらら