粉雪舞う大久保山
 
日 時:2003年1月3日(金)
天 気:くもり時々雪
行 程:1015間明野―1040,1047切目峠―1115,1130ハコスラ―1200,12103本目―1250,1445大久保山南の肩―1530,1540鞍部―1635間明野

ルート断面図とルート図
 
大久保山断面図 大久保山ルート図
カシミール3Dにて作成しています

恒例の三が日初登山は先月登った大岱山に程近い大久保山という1241mの無名の山。大菩薩から南に延びる小金沢連嶺の南端に位置する滝子山から東へ谷一つ隔てた山だ。大月からタクシーに乗り、桑西の少し手前の間明野(まみょうの)で降りる。 どんより曇った空から小雪が落ちて来る中、神社脇の急傾斜の凍結路を歩き始める。すぐに巨大堰堤が立ちはだかっていた。幅60m高さ14mとある。右から越えて枯れ沢の左岸を行く。5cm位の雪が残った杉林にアセビやヒノキが混じる。人が入らない山らしくスギの落葉で道が埋まっていて、一寸ルート探しに手間取ったが左へ回り込むとすぐに狭い切目峠に着いた。

ここからはリョウブ、アカマツ、モミの尾根道を直登する。アセビがやたらに多い。積雪は10〜20cmだが、消えている所もある。923mの三角点があるハコスラに11時過ぎ到着。雪の上に狐の足跡が延々と続いている。狐は尾根沿いに歩くものらしい。チラチラ降っていた粉雪が段々激しくなってその足跡を消してしまう程だ。分厚く積った落葉に小粒の雪がパラパラと音を立てて降りしきる。風がないのでそれ程寒くはない。 「雪はしんしんと降るものなのに雪音なんて珍しいね」

降りしきる 雪が消すなり 狐跡

パラパラと 粉雪跳ねる 落葉道
 
大久保山にて 大久保山にて 大久保山にて
 
大久保山にて 大久保山にて 大久保山にて

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今度はうさぎの足跡が現れた。シャラの樹皮が赤く剥がれている。鹿が食べたのだろう。トレースは全く消されており、わずかながらキックステップとラッセル気分を味わい、ルートファインディングを楽しむ。周囲の山々は雪雲の中に隠れて全く見えない。 雪がしっかり積った急斜面の登りに思いの他時間を費やしてしまい、ミズナラに囲まれた南の肩に着いたのは13時前。結構くたびれて足が吊りそうだ。大久保山のピークはもう少し上だが、時間も遅いしここで昼食にする。予定を変更して帰りは向こう側へ回らずに来た道を戻るつもりだ。

 皆で雪を踏み固めてシートを広げる。全くいいタイミングで雪が止んで薄日が差し、宴会日和になった。風もない。ビールで乾杯し、いつものベーコン、海苔餅、ソーセージが次々に焼かれて配られる。人数が多いのでコンロ担当の二人は大童だ。今日は正月らしく黒豆やするめいか、煮しめ、大根のなます、さらにチャーシュー、白菜の漬物、野沢菜コンビーフ炒め、豚汁と豪華絢爛である。15時前、新年宴会をお開きにして下り始める。かなり気温は下がっている。皆疲れて足取りは重い。もう少し雪が多かったら尻セードを楽しめるのだが。再び雪が舞い始めた。夕暮れ迫る間明野は新雪で真っ白だった。村人が家の前の雪掻きをしている。くたびれ果てて降りて来たメンバーが揃うと間もなく携帯電話で呼んだタクシーのライトが近付いて来た。