初冬の王岳(1623m)と西湖
 
日 時:2002年11月2日(土)〜3日(日)

ルート断面図とルート図
 
王岳断面図 王岳ルート図
カシミール3Dにて作成しています


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【第1日】
天 気:快晴 気温低し
行 程:645根場―700登山口―730,750沢筋―840,910尾根―943鍵掛峠―1117,1125王岳―1145,1430山頂下―1550鍵掛峠―1653,1700根場―1715大石荘(泊)

今回は御坂山塊西の雄である王岳へ登り、翌日は西湖でカヌーを楽しむ予定である。文化洞トンネルを抜けて西湖畔をたどると程なく根場に着いた。季節外れで営業していないキャンプ場の端に駐車させる。まばらな木々の間から満天の星が瞬く。とても都会の空では見ることの出来ない文字通り降るような星空である。明け方近く寒さで目が覚めた。そういえば、気圧配置が冬型になっており今年最初の寒気団が居座っているから寒いはずだ。しかも、ここは標高900mだけあってかなり冷え込んでいる。6時45分出発。雲一つない紺碧の空に富士山が大きく聳えている。北面なのに思ったより雪が少なく、六合目位までしかない。一寸道を間違えて10分位ロスしたが7時に登山口の神社を通過。舗装はしてないが整地された林道をたどる。

しばらくジグザグの道を登ると舗装したばかりの部分が現れた。その舗装路の脇が登山口だった。《王岳・鬼ヶ岳》の道標がある。カラマツや杉林の中をグングン登って行く。ここは南斜面なので日が上がるに連れ暖かくなって来る。風もないので汗ばむほどだ。小さな沢の左岸を高巻いていく。急斜面に以前加入道山で見た墓標のような白いプラスチックの柱が沢山立っている。中味はヒノキの苗木だ。この辺りは落葉樹林なのだが、苗木が育ったら落葉樹を伐採するのだろうか?フリースを脱ぎ、道脇の切り株に腰掛けて朝食にする。富士山の写真を撮るらしい単独の人と夫婦らしい二人連れが抜いて行った。道は良く整備されて歩き易い。朝日が射して来て枯葉で埋まった山道を照らしている。しばらく登るとブナ林となった。柔らかい感じでいい雰囲気である。オオモミジやアセビ、ネジキが多くなる。30分ほど急斜面をジグザグにたどると斜度が落ちて来て尾根道となった。落ち葉が重なってカサコソ音を立てる。

   木漏れ日に 斑模様の 枯葉道

   爽やかに 風吹き抜ける 尾根の道

河口湖と西湖
 
アセビに細かいピンクの花芽がたくさん付いている。ようやく鍵掛峠に到着。3時間も掛かってしまった。右の道は鬼ヶ岳に通じている。左に折れたすぐ先に南側が大きく開けた場所があった。目の前に富士山が大きく聳え、左に大きな河口湖、右に小さな西湖が逆光にきらめいている。雄大な景観。ここからは左に富士山を見ながら、なだらかな起伏の稜線歩きとなる。風がなくて暖かい。王岳はかなり遠く見える。

   空澄みて 冬枯れの木々 風に揺れ

カラマツが黄色く色付いていい雰囲気だ。シラビソの森もある。日陰には所々霜柱が残っている。荷物が重いせいもあるが、何度も登降を繰り返してくたびれて来た。11時を過ぎてようやく王岳にたどり着いた。予定よりかなり遅いが、狭いピークには誰もいない。振り返るとカラマツの黄色とシラビソの緑がきれいなコントラストを描いている。かなり曇って来て富士山も半分隠れてしまった。大休憩を切り上げ撤収。ピークを後にする。早く下りないと暗くなる。急ぎたいが疲れがたまって何度もある登り返しがつらい。これでもかと思う位何度コルに着いてもまだ先がある。いい加減いやになった頃やっと鍵掛峠を通過。ブナ林、杉林と歩き易い道なのでどんどん飛ばして、何とか明るいうちに林道に降り立った。キャンプ場には17時前に着き、明日カヌーを漕ぎ出す浜辺を確かめてから、いつの間にか暗くなった道を河口湖畔の宿へ向かう。

【第2日】
天 気:快晴 風なく気温高し
行 程:955大石荘―1010西湖―1045,1415漕行―1515西湖―1545河口湖IC

西湖にて 西湖にて
 
10時前宿を発って西湖へ向かう。途中のキャンプ場も結構車が入っていたが、目的の浜はまだ駐車の余裕が充分あった。富士山が正面に見えて絶好の撮影ポイントだ。三脚を据えてシャッターチャンスを狙っている人が大勢いる。早速カヌーに空気を入れ昼食の準備をして漕ぎ出す。風もなく湖面は静かで朝の光を受けてキラキラ輝いている。辺りには釣り舟もカヌーも出ていない。対岸の溶岩帯を目指す。適当な上陸地点を探すが深くて接岸が難しい。あちこち探して岬を廻り込んだ所に上陸。再び漕ぎ出す。この辺りは釣り舟が多い。西寄りの風がきつくなり、少し波立って来てしぶきが掛かる。帰りは向い風になるので大変そうだ。湖の反対側の岸辺で上陸地を探す。強い向い風に押し戻されながら何とか適当な砂浜に上陸する。湖岸道路の真下で車の音がうるさく近くにキャンプ場もあるが、浜に人の気配はない。早速テントを設営する。少し草が生えたきれいな砂浜で平らなのでテントの中は快適だ。昼食後、撤収して誰もいない湖面へ三度漕ぎ出す。風はほとんど収まっており静かな湖面をのんびり進む。午後になっても全く雲が掛かっていない白い富士山がくっきりと見える。カヌーがいくつか現れてすれ違っていく。漕ぎ出した根場の浜に帰り着いたのは14時過ぎ。人も車も多いが大混雑という程でもない。カヌーや濡れ物を乾かし、車内で少し休憩。15時過ぎ西湖を出発。