秋の西上州烏帽子岳(1182m)
 
日 時:2002年10月13日(日)
天 気:快晴 風なく気温高し
行 程:730雨沢―745,750シボッ沢登山口―818,823倒木帯―855奥の二股―943マル―955烏帽子岳とマルのコル―1000,1025烏帽子岳―1050奥の二股―1140シボッ沢登山口―1150,1257大仁田ダム

ルート断面図とルート図
 
烏帽子岳断面図 烏帽子岳ルート図
カシミール3Dにて作成しています

7時半に宿を発つ。登山口には車数台分のスペースがある。気温は8度位か?10月中旬の朝にしては全然寒くない。すっきり爽やかである。小さな沢の右岸の緩やかな登りから始まる。堰堤を過ぎると山道となる。トチノキが多く、大きな実が少しばかり落ちているのだが、その周囲には割れた殻がびっしりと地面を覆っている。3〜5ミリの分厚くて頑丈な殻である。先日の台風でやられたらしい新しい倒木が非常に多く、何重にも道を塞いでいるので越えたりくぐったり大変である。たちまち大汗をかく。高さ20m、直径40cmはあろうかという大きなサワグルミが根こそぎなぎ倒されている。谷沿いで土が少なく根張りが浅いので強風には耐えられないのだろう。倒木帯を越えた所で1本立て、山シャツを脱ぐ。8時半、二股に達し左の沢へ入る。水が消えて枯れ沢となる。前回の大嵐山と似たような渓谷歩きで道が判りにくく、ルートファインディングに気を配る。はるか右上の斜面に朝日が当り始めた。木々が輝いているがまだ緑が濃く、色付く気配もない。また大量の倒木あり。

   道塞ぐ 大倒木に 息上がり

   見上げれば 朝日輝く 秋の山

 
サワグルミの倒木 マルの登り 烏帽子の紅葉
 
9時前に奥の二股に達する。右か左か迷ったが右に進むことにする。枯れ沢の急登続く。葉が細長いハート型で側脈が多い木がたくさんあって気になっていたが、図鑑をめくりながら歩いていてようやくサワシバと判明。見慣れたハウチワカエデも出て来た。樹間からのぞく浅間山が霞んでいる。コナラのどんぐりが大量に落ちていると思ったらコルに到着。道標には《左烏帽子》とだけあり、右は何も書いてないけれど、右がマル、左が烏帽子のはずだ。(これは間違いで本当はマルも左だった)この辺りミツバツツジが多い。鮮やかとは云えないが、ようやく色付いた木々が現れた。木漏れ日が差している。リョウブ・コナラは赤茶色、サラサドウダンは茶色に枯れている。ベニドウダンが真っ赤。ネジキも紅い。しばらく急登であえぐと、烏帽子のはずなのにマルに到着した。どうやら奥の二股から左へ行くべきを、右へ進んだのでマルよりも更に右に出たらしい。25000の地図によればマルは標高1220m余り。烏帽子より少し高いが木に囲まれて展望は利かない。

 
妙義山 烏帽子岳山頂
 
一旦急斜面を100m程下りコルに到着。そこから岩混じりの急登を5分程たどると10時丁度に烏帽子のピークに着いた。余り広くない山頂には当然誰もいない。360度の大展望を楽しみながらビールで乾杯。10月というのにポカポカ陽が当たってTシャツだけで全然寒くない。浅間山の噴煙が西に流されており、ぎざぎざの表妙義と裏妙義がここから見ると小さい。荒船山も軍艦には見えない。「あの辺は赤城と榛名かな」「右奥の霞んでいるのは日光連山だな。かなり高いなー」赤黒く紅葉したリョウブには細かい鋸歯のある葉が枝先にらせん状についている。他にはネジキ、ベニドウダンなどが紅葉している。ミズナラは黄葉だ。一服してすぐに下り始める。ピークの下の岩場にはコメツガの幼木がへばりついている。コルからは枯れ沢の急降下となる。サワシバやサワグルミが点在するザレ場は滑りやすい。また倒木多し。 11時前、奥の二股に着いた。単独の中年女性が登って来た。地元の人だそうだが今日初めて登るらしい。今回は誰もいないだろうとの予想は外れてしまった。11時過ぎ、ロープのある場所に出た。源頭を過ぎ、沢に水が流れ出した。20m以上ある倒木が対岸の岩壁に引っ掛かって水平になり丸木橋のようだ。11時40分登山口に降り付いた。