紅葉くすむ守門岳(1537m)
 
日 時:2002年10月5日
天 気:くもり一時晴 風弱く気温高し
行 程:832保久礼駐車場―836保久礼小屋―915,923キビタキ清水―928キビタキ避難小屋―1010,1018展望台―1030不動平―1055,1110大岳―1150二口下山口分岐―1210,1240青雲岳―1255,1310守門岳―1325,1330青雲岳―1343二口下山口―1410,1420尾根中間―1430滝見台―1455891m峰―1513,1520ブナ林―1525,1530護人清水―1550,1630二口駐車場

ルート断面図とルート図
 
守門岳断面図
 
守門岳ルート図
カシミール3Dにて作成しています

5時半起床。ようやく雨は上がって晴れて来た。暑くなりそうだ。車3台で集合場所の守門温泉SLランド7時40分出発。二口の駐車場に1台をデポして2台で保久礼登山口へ向かう。駐車場があったが、地図にない道がかなり先まで伸びていて狭い舗装路を行くと広い駐車場に出た。支度をして8時半歩き始める。日差しがきつくて暑いのでTシャツで十分だ。一寸下り気味に5分程進むと保久礼小屋横を通過。ここから登りになる。道の両脇にはオオカメノキ、ブナ、マンサク、リョウブに大きなシャクナゲ?葉の形はシャクナゲを2倍に大きくした感じである。ほんとは何だろう?昨夜の大雨のお陰で、赤土がぬかるんで滑る。コンクリートの丸太の階段が延々と続く尾根の直登に汗が滴り、朝日が木漏れ日となってきらきら輝く。両サイドずっと樹林で見通し利かず。 オオカメノキが紅く色付いている。

ナナカマドがあり、紅い実が付いているが、葉の色付きがくすんだ紅で本来の鮮やかな紅葉には程遠い。今年は冷え込みが足りないのだろうか?黒い実を付けたオオカメノキの黄葉も冴えないし、色付かないまま茶色に枯れてしまった木々が多い。さすがに豪雪地帯らしく根曲がりブナが増えてくる。「ツツピー、ツツピー」ジジュウカラがせわしなく囀る。コンクリート丸太の階段が終わり、ブナが大きくなってきた。ウリハダカエデがわずかに黄色く色付いている。《キビタキ清水》に到着。ここの水は冷たくて甘い感じで抜群にうまい。ヤマウルシの葉が赤茶色。9時半、小さなトタン張りのキビタキ避難小屋に着いた。小屋の傍らに大きな案内板もある。この辺りはブナとオオカメノキとリョウブばかりだ。ひげが生えたブナの実が一つ裂開しないまま落ちている。ホオノキが1本。オオカメノキには赤と黒の実が付いているが、黒から赤になるのだろうか?(後で調べたら、オオカメノキの実は始め赤く完全に熟すと黒くなるそうだ。その方が鳥を引き付ける効果が大きいとか)

保久礼駐車場 ハウチワカエデの紅葉 2色に染まるハウチワカエデ
 
ドウダンツツジは赤茶色に、オガラバナは黄色に色付いており、ハウチワカエデの葉が日当たりのいい場所のわずか2枚だけ真っ赤になっている。少し上には赤黄緑の斑に色付いたハウチワカエデもあり。オオバクロモジはきれいな薄い黄葉である。《展望台》に到着。展望台ということで北面が開けているが霞んで遠望は利かない。休むと結構冷える。ここまで登ってもナナカマドが紅くならずに茶色に枯れている。オガラバナの黄葉もちりちりに丸まって冴えないし、ミズナラの黄葉も黒い斑点が汚らしい。残念ながら今日の紅葉は、去年訪れた会津七ヶ岳の錦のような絢爛たる紅葉に比べると全く貧相である。道はほぼ平らになり《不動平》を通過。ナナカマドの群落があるが、いづれも赤茶色で鮮やかさがない。マンサクも多いが、この木は黄・紅・茶色など様々な色付きを見せている。そよ風が爽やかだ。真紅になるはずのベニサラサドウダンが赤くない。

浅草岳 青雲岳付近のカヤト
 
10時半過ぎ《不動明王》を通過。ハウチワカエデが赤と緑のツートンカラーになっている。やっと真っ赤なナナカマドが現れた。11時前、大岳に到着。ここには鐘があり、大勢の登山者が思い思いに休んでいる。守門岳はよく見えるが東面はガスっており、浅草岳は守門の陰で見えない。ここから130m一気に下り、急斜面を同じだけ登り返すと二口への下山口分岐に着いた。振り返ると先程登った大岳がえらく大きい。そこから一登りで青雲岳である。

守門岳 守門岳 守門岳
 
標高1487mの平らでだだっ広いピークには、気持ちの良いカヤトの原が広がっている。守門方面の黄葉はまあまあきれいだ。浅草岳がもやの中で霞んでいるのがかろうじて見える。木のベンチに陣取りワインで乾杯。もう12時を過ぎているので、お茶を沸かして昼食とする。荷物をデポして、黄色く色付いたカヤトや背の低いオガラバナの間を縫う木道をたどり、広い稜線を緩やかに登っていくとすぐに守門岳に到着。晴れ間はあるが霞んでいて遠くの山はほとんど見えない。ここでも沢山の登山者が休んでいた。写真だけ撮り合って13時過ぎ下山開始。山スキーに良さそうな大斜面が黄葉に染まっている。青雲岳に戻ってザックを回収。大岳との分岐から左へ折れると二口への急な下りが延々と続く。

道沿いの木の種類は保久礼からの登りと全く同じなので立ち止まって観察することもない。中々快調なピッチで軽快に下る。やせた尾根道となり、14時半《滝見台》に到着。標高1000mとある。ここからは左手後方にかなり大きな3段のオカバミ滝が見える。尾根の両側から沢音が大きく響く。再び急な下りとなるが、湿った赤土の道は非常に滑りやすく、足を突っ張らねばならないので疲れる。二度ばかり転んでしまった。4等三角点のある891m峰を通過。傾斜がやや落ちてブナの純林となる。15時《二口へ1.5km》の道標通過。尾根の左を巻く歩きやすい道をたどる。護人清水に15時半頃到着。パイプで引いた清水は水量もたっぷりあり、冷たくてうまい。すぐ脇にトチノキの大木があった。高さは20m以上、直径1m近い幹は苔むしてつるがからまり、森の主のような風格である。そこから少し下ると見渡す限り何百mも延々とブナ林が続いていた。径10〜20cmの若木ばかりだが、これだけ広範囲にブナの純林が広がっているのは初めて見た。白神山地もこんな感じだろうか?幹がやや黒っぽいが、イヌブナだろうか?今日初めてスギの植林があった。ススキも並んで揺れている。一旦離れた沢音が再び近づく。15時45分荒れた林道に出た。5分も歩くと二口駐車場だった。