錦秋の平滑沢から七ヶ岳(1636m)
 
日 時:2001年10月21日(日)
行 程:750登山口−855,905 1400m点−920平滑沢源頭−950,955稜線直下−1020稜線分岐−1024,1030七ヶ岳−1035,1050稜線分岐−1150,12001400m点−1245,1335 シラカバ林−1340登山口

ルート断面図とルート図
七ヶ岳断面図 七ヶ岳ルート図
カシミール3Dにて作成しています

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会津鉄道の高架をくぐった所にある交差点から国道352号(121号と重複)をわずかに北進すると、すぐ左に林道入り口があった。七ヶ岳の案内看板の脇を通って荒海川の清流を渡り、すぐ左折して登山口を目指す。カーブが続くが、ずっと舗装されていて中々立派な道だ。程窪沢に掛かる章吾橋に着いた。この登山口には道脇に数台分の駐車スペースあり。七ヶ岳は西の会津駒と東の那須岳の丁度中間に位置する地味な山だが、紅葉シーズンとあって割と人が多そうだ。薄曇りで風はなく寒くはない。シラカバやカエデ類が多い明るい林を縫って緩やかに登っていく。ヤマモミジは緑の葉の一部が赤くなっていたり、黄葉した葉の先端が更に赤くなっていたりして木毎に個性があり、木漏れ日に映えてきらめく様は見事だ。この辺りオオモミジ、イタヤカエデ、コナラなど様々な黄葉が丁度盛りで森全体が黄色く染まっている。

七ヶ岳の紅葉 七ヶ岳の紅葉 七ヶ岳の紅葉
 
小さな沢を何度か渉る。右下の斜面には、雪が多いことを物語るように幹が大きく曲がったシラカバがあり、枯れた太いヤマブドウが大蛇のようにうねって道を塞いでいる。左側が杉林になった。依然として緩やかな登りが続く。下生えはずっとクマザサである。平滑沢に入ったらしく、両側の山肌が迫ってゴルジュ状の沢歩きとなる。清流が涼しげに滑滝のように流れる緩やかな傾斜の一枚岩を登って行く。岩はフリクションが効くから余り滑らず、時折、右を捲いたり、左に渉り返したり、きれいな流れの中を歩いたりで、久々に快適な沢登り気分を味わえて楽しい。雲が厚くなってきた。源頭付近で1本立てる。すくった清水は冷たくて渇いた喉にしみ入るようだ。ほとんど水音がしなくなり、岩の間を抜ける道の勾配が増してくる。トチノキの大きな葉が掌状複葉のまま、天狗がうちわを忘れたという風情で落ちている。

風もなく 滑滝たどる 錦秋の沢 

道は左へトラバース気味に登っていく。ダケカンバが現れたので1500mを越えたと思われる。直径1mに近い立派なブナも増えてきた。高度も上がったので、ほとんどの木はすっかり葉を落して冬姿である。黄葉を残しているのはクロモジ位だ。クーロアールの急登が終わると南が開け、彼方に山波が見えた。日光連山だろうか?ロープが何箇所か張ってある。木の根につかまり、大岩の間を抜けるえらい急登が続く。45度の傾斜で、崖を登っている感じだ。シャクナゲの群落が森林限界の近いことを告げる。もう、花芽も葉芽も膨らんでいる。サラサドウダンの小さな紅葉が可愛らしい。ようやく稜線に出て大展望が広がった。左の道は丸山への下りになっている。ここからは、ハイマツの道を数分であっけなくピーク到着。一等三角点のある狭い山頂には3組程の登山者が思い思いに陣取っている。薄曇りだが遠望が利き、360度の大観は素晴らしい。とても1600m級の山とは思えず、高山からの眺めのように雄大で気分がいい。東から数えると、先ず二岐山、茶臼山など那須連山、男鹿山、塩原の高原山、日光連山、男体山、奥白根、燧岳、会津駒等等きりがない。

重畳と 連なる峰の 遥かなり

七ヶ岳の登り 山頂付近からの展望 山頂付近からの展望
 
辺りはほとんど葉を落したドウダンツツジの大群落、花の時期はさぞかし見事だろう。下り始めると、中高年登山者が次々に登って来る。沢源頭に出る。往路で休んだサワグルミの所でまた休む。沢の右岸の大岩を抱くようにして巨大な落葉樹が空を覆っている。葉が丸くてかなり大きいのでヒロハカツラだろう。時折日が差して色付いた葉が輝く。登山口近くまで降りてシラカバ林で昼食にする。天候に恵まれ、紅葉と沢と岩と大展望と温泉と山の幸が楽しめて100点満点の山旅であった。