新緑輝く三頭山
 
日 時:2001年5月19日(土)
行 程:715鶴峠−800,813 樹林帯−915,940 見晴らし台−945デポ地−1035神楽ヶ峰−1115,1330 デポ地−1406,1415 樹林帯−1432鶴峠

ルート断面図とルート図
 
三頭山断面図
 
三頭山ルート図
カシミール3Dにて作成しています

鶴峠のバス停の脇から山に入り、杉や桧の植林の中を歩き始める。今回は新緑のブナ林を期待しての山行だが、天気は快晴、素晴らしい新緑が待っていてくれそうだ。しばらく進むとホオノキ、ダンコウバイ、イヌシデ、コナラ、ミズナラ、カラマツなどおなじみの木々が並ぶ雑木林となった。朝早くてまだ日が当らないが、期待通り新緑が瑞々しい。再び、うっそうとした桧林となった。足元には白いチゴユリ、黄色のキジムシロ、花の終わったヒトリシズカ、シロバナエンレイソウ、ムラサキマムシグサなどが目を楽しませてくれる。特にチゴユリが多く、列をなして続いている。

三頭山の新緑 三頭山の新緑 三頭山の新緑
 
道は緩やかで岩や木の根もなく歩き易い。リョウブ、イタヤカエデ、ミツバツツジ、ウダイカンバなどの明るい広葉樹林となって間もなく稜線に出た。ここから道は尾根の左を捲くように平坦に続いている。ホオノキの大きな若葉が目立つ。コナラ、イロハモミジ、コアジサイそして待望のブナが現われた。中々立派なブナが多い。逆光の朝日を浴びた若い葉が透き通ってきらめいている。正に新緑のトンネルだ。アカゲラだろうか木をつつく連続音が斜面にこだまする。小さな巣箱があちこちの木に据えてある。小焼山を回り込み、右側が開けた場所で2本目を取る。やや霞んでいるが坪山方面の山並みが良く見える。陽射しがきつくて暑い。木陰に座ると頭上のハウチワカエデやコハウチワカエデの若葉が日に映えて輝き、ヤマガラがツツビー、ツツビーと鳴いている。

啄木鳥の ドリルが響く 椈の森

モミやツガの間にマメザクラが咲き残っている。掌状複葉で小葉が5枚のコシアブラを同定。高さが5m程、横にも大きく枝を広げたアセビのある辺りがほぼ平らで、下生えもない広場になっているので昼食場所に決めザックをデポ。相変わらず道は稜線の左を捲くように細かい登降を繰り返しながら続いている。樹間から左手方向に雲取方面の山並みが望める。新緑の間を風が爽やかに吹き抜ける。少し下った所に幹周り4m以上ありそうな巨大ブナが現われた。風格ある姿にしばらく見とれる。急登が続き、ヤマガラがやたらに気合を入れて鳴き続けている。前方にピンクの花が沢山咲いており、近づいてみるとおしべが10本のトウゴクミツバツツジだった。枯れかかったのもあるが、良く観察するとまだつぼみもたくさんあり、今が盛りのようだ。青空をバックに実に見事なピンクの林である。腰の不調を我慢してここまで来た甲斐があったというものだ。すぐ上が神楽ヶ峰だった。三頭山はその先に見えているが、時間が掛かりすぎているのでピークは次の機会に譲り、引き返すことにする。デポ地に戻って昼食にする。頭上にはコナラ、ホオノキ、ブナなどの若葉が天井のように空を覆っている。食後午睡を楽しんでから撤収。新緑のトンネルを下り始める。1時間ほどで鶴峠に降り立つ。ピークは踏めなかったが、人は少なく期待通り素晴らしいブナの新緑をたっぷり浴びることが出来、印象に残る山となった。