新春の菊花山(644m)と馬立山(797m)
 
日 時:2001年1月3日
行 程:902 大月−1000,1015 菊花山−(1045) 沢井峠−1125,1135 沢井沢の頭付近−1156,1330 馬立山−(1412)札金峠−1425,1450 林道終点−1530,1607 田野倉―1612大月

ルート断面図とルート図
 
菊花山断面図 菊花山ルート図
カシミール3Dにて作成しています

枠のある写真をクリックすると拡大します

富士山 滝子山方面 百蔵山と扇山
 
21世紀最初の山は、去年の正月の花咲山と同じく大月駅から歩いて登れる無名の小さな山である。しかも、町に日陰を作るので地元では「貧乏山」と呼ばれて邪険にされる可哀相な山だ。天気は快晴。大月に9時前に到着。駅前の道を南に向かう。目の前に目指す菊花山がそびえている。成る程この町のすぐ南に屏風のように立っているので、かなり広範囲に日照を遮っていることは確かだ。甲州街道を横切って直進し、交番を右折してしばらく行くと無辺寺という寺があった。正月というのに全く人の気配が無い。杉林に囲まれた墓地の間の古びて擦り減った石段を登るとお堂があり、更に石段を登ると大きな忠魂碑があった。すぐ右上には古峯神社という小さなお堂がひっそりと鎮座している。小さな送電鉄塔があり、右側はスギやアカマツの暗い植林、左側はすっかり葉を落したコナラやエノキなど落葉樹林の明るい斜面だ。右へ巻き気味に登って行く。右への下り気味の巻き道と左の尾根を直上する道との分岐があり、左を選ぶ。尾根を一直線に登る道はかなりの急傾斜で、コナラの落葉が分厚く積もって滑りやすい。清々しい青空だが、冷たい北風が吹付ける。振返るとアカマツの間から真っ白な富士山が雪煙を上げ、三ツ峠や滝子山、黒岳などもすっきりと見える。台風で倒れたらしいアカマツも目立つ。

赤松の 梢の彼方に 白き富士

傾斜が緩くなると間もなく、4等三角点のある狭い山頂に着いた。菊花山である。駅から丁度1時間だ。大きな岩が二つあり、これが「菊花石」といって山名の由来らしいが、本物の菊花石ではなさそうだ。この山頂は標高が低い割に木に囲まれてないので、予想外の360度の大展望が素晴らしい。しかも雲が全く無いし、空が澄み切っているので、全ての山のスカイラインがはっきりしている。南西に富士山。そこから右に三ツ峠、お坊山、手前には鶴ヶ鳥屋山、大沢山。更に右は滝子山、大谷ヶ丸から大蔵高丸のなだらかな稜線、湯ノ沢峠、白谷丸、黒岳、雁ヶ腹摺山と続く。北側目の下には大月の町が広がり、中央高速の向こうは花咲山そして絶壁の岩殿山。東には百蔵山と扇山その間に権現山と雨降山も頭を出し、南面には御前山から、これから向かう馬立山の山並みが大きく立ちはだかっている。急な岩場を慎重に下る。30分程下り、ようやく上りになった。モミやヒノキの植林を少し登る。

馬立山にて 九鬼山登山口 田野倉駅
 
伐採地には植えられたばかりのヒノキの幼木が行儀良く並んでいて、中には登山道にはみ出したのもある。尾根道は傾斜が増して来て、北西の強い風が右の谷から駆け上がって来る。ぐんぐん高度を稼ぐと、少し斜度が緩やかになった。後ろを見ると、先程いた菊花山が遥か下だ。更に少し登ると沢井沢の頭だ。そこからは平らな歩き易い道になった。この辺りも大きなアカマツの林だ。馬立山の山頂が見えてきた。その左は九鬼山だ。尾根がやせてきて頂上が近づくと、正面に一寸した岩場が迫ってきた。無理することもないので左の巻き道を進む。右に回り込むと馬立山のピークだった。ここは菊花山と違ってアカマツやコナラに囲まれて眺望は利かない。昼食後、急な下りを札金峠へ向かう。一時薄い雲に覆われていた空は、再び雲一つ無く晴れ渡っている。スギ、カラマツ、モミなどの樹林帯を下り、40分程で札金峠を通過。右に折れてしばらく歩くと林道の終点に着いた。休憩して田野倉へ向かう。