春雨の生藤山(990m)
 
日 時:2000年4月15日(土)
行 程:720鎌沢駐車場−750,755 1本目−825佐野川峠−840,910 甘草水−925,945生藤山−1100,1105 鎌沢休憩所−1120鎌沢駐車場

ルート断面図とルート図
 
生藤山断面図 生藤山ルート図
カシミール3Dにて作成しています

今回は尾根道の桜並木に期待しての山行である。ガイドブックによれば、ここの桜は東京より10日位開花が遅いそうなので丁度見頃のはずである。予報では朝から雨ということだったが、空は意外に明るく、しばらくは持ちそうだ。何とか桜並木に着くまでは降らないで欲しい。当初の予定では生藤山(しょうとうやま)から連行峰へ回って和田経由鎌沢まで戻るつもりだったが、天気も悪そうだし、鎌沢駐車場までの道が随分急な登りだったので生藤山ピストンに変更。沢沿いの駐車場を後にする。谷合の狭いけれど舗装してある急な里道を進むと、茶畑が広がった。この辺りでお茶を栽培しているとは思わなかった。道沿いに点々とほぼ満開の染井吉野が風情豊かに咲いている。緑の斜面に桜色が良く映えてしっとりとした雰囲気だ。しばらく行くと畑の中に「県営鎌沢休憩所」があり、車道が終わる。庭先に桃やミツバツツジが咲いた数軒の農家の間を通り抜けると左へトラバース気味の緩やかな山道となる。

右上は杉の植林。左下は見事な孟宗竹の林である。この辺りから山里を見下ろすと、緑の中に黒い瓦屋根の農家と桜が点在して、いかにも「日本の春」という風景である。ウグイスも鳴き、足許にはスミレも咲いている。秋アジサイがあるという表示があり、少し上に枯れたアジサイが何本かあった。秋に咲くアジサイがあるのか?間もなく道は右にカーブして展望が開け、広々とした稜線に出た。晴れていれば丹沢方面も望めるそうだが、今日は近くの小さな山が霞んで見えるだけだ。どこまでも傾斜は緩やかで道幅も広く、ピクニック気分である。ヤマブキが鮮やかな黄色の花を付けている。植林はヒノキに変わり、イヌシデ、アカマツ、それに枯れ葉を残したままのコナラやカシワがなどが混じる。種類が分らない桜の若木がわずかに花を咲かせている。この分では上の並木はまだ咲いてないだろう。

鳥居があり、その先に小さな神社があった。しばらく行くと下岩バス停からの道が左から合わさる。本当に歩き易くて緩やかな登りがいつまでも続いている。佐野川峠で石楯尾神社からの道が合流する。空はまだ明るいがとうとう雨がぽつぽつ降り出した。ヒノキの植林の中に登山道に沿って点々と大きな桜がある。かなりの老樹が多い。このあたりが「桜並木」なのだろうが、つぼみは固いままだ。見頃になるのは4月末だろう。間もなく樹林が切れて伐採地に出た。「甘草水」の看板あり。テーブルとベンチがいくつか並べてある。晴れていれば見晴らしの良さそうな場所である。

腹ごしらえをして、空身で生藤山ピストンに出発。軍刀利(ぐんだり)神社からの道を左に見て、ほんの少しの登りで三国山に到着。一旦下って右寄りに尾根を辿るとようやく山道らしい急登が現われた。と思ったらもう生藤山の狭いピークだった。アセビの小さな白い花が雨に濡れている。陣馬山へ続く稜線が春雨に煙って水墨画の世界である。少し休んでピークを後に下り始めると次々と登って来るパーティーとすれ違う。雨なのにやはり皆、桜を期待して来るのだろう。三国山へは寄らず、巻き道を行く。甘草水のベンチに着いて、ザックを回収する。道がかなりぬかるんできたので滑り易い。ダンコウバイの黄色い花が咲いていた。どんどん下って鎌沢の里に着くと、県営休憩所で10人近いパーティーが焼き肉で盛上がっていた。里の桜を愛でながらゆっくり下って行く。小さな沢沿いの道になると駐車場はすぐだった。