初冬の赤鞍ヶ岳(1257m)〜朝日山(1299m)

日 時:2000年12月16日
行 程:918 厳道峠−1010,1020 御牧戸山−(1045)長尾山−(1115) 細茅ノ頭−1145,1150無名峰−1200,1315窪地−(1325)大栗分岐−1335,1345 赤鞍ヶ岳−1440,1450 秋山峠−1503朝日山−1600宮の入沢上−1605林道−1620 竹之本

ルート断面図とルート図
赤鞍ヶ岳断面図 赤鞍ヶ岳ルート図
カシミール3Dにて作成しています

相模湖ICで予定時刻ぴったりにM車と合流。安寺沢林道を経て厳道峠到着。峠には5〜6台は楽に置ける駐車場と林道開通記念の石碑がある。下山地点の竹之本へ車回送に向う。初冬の道志の山々は雲一つない青空にくっきりと浮かんでいる。今日の宿の民宿大屋の大きな駐車場にI車を置き、M車で戻る。駐車場のすぐ脇が取付き点だ。ヒノキの植林を歩き始めるといきなり急登である。30度はありそうな斜面でほとんど直上しているので厳しい。ぐんぐん高度を稼ぐとすぐ左が開けて富士山が大きく姿を現した。五合目辺りまで真っ白だ。山頂は雪煙が高く上がって風の強さを物語っている。

南の風が強いが気持ち悪いくらい生暖かい。下生えがクマザサになり少し傾斜が緩んできた。この辺りのヒノキは枝の付け根の方から枯れてしまっている。虫食いか酸性雨の影響か?植林が尽きてすっかり緩やかな道となる。周囲はウダイカンバ、ウリハダカエデ、イヌシデ、コナラなどの自然林に変って途端に明るくなった。木々はほとんど葉を落した冬姿だ。この辺りから時々稜線の左右が開けて展望が利くようになった。右サイドには矢平山や高柄山がやや目の下、左サイドには富士山から大室山、檜洞丸、蛭ヶ岳など丹沢北端の山々が大きなスカイラインを描いている。

登山道のすぐ脇にイヌシデの大木があった。幹の下部は樹皮が浅く裂けているが、上の方は樹皮が滑らかで白い縞模様のイヌシデそのもの。今までイヌシデは樹皮が裂けないはずなのに裂けたのもあって散々悩まされたが、老木になると裂けてしまうことが良く判った。パラボラアンテナが見えるとすぐ御牧戸山に到着。NHKと山梨TVの中継塔だ。少し北風が強くなり寒くなってきた。前方に目指す赤鞍ヶ岳のなだらかな姿が望める。この辺り起伏はあくまでなだらかで、コナラやミズナラの落葉が分厚く敷き詰められた散歩道となって足取りも軽くなる。

   軽やかに 落葉踏みしめ たどる尾根

再びヒノキやアカマツの植林が現われると長尾山を通過。Hさんを先頭に緩やかに下って行くと不思議な空間が広がった。先程確認した5m位の株立ちのクロモジが左右見渡す限り斜面を埋め尽くしている。クロモジの純林は初めて見たが、下生えがないので果樹園のような雰囲気である。自然林だろうか?クロモジに囲まれてシラカバがぽつんと立っている。木立を通して左手に望める富士山の雪煙がものすごくなっている。

   黒文字の 林に一本 白樺

細茅ノ頭を過ぎた辺りで右側が大きく開けて大展望が広がった。奥に大菩薩、黒岳、湯ノ沢峠、大蔵高丸、大谷が丸、滝子山が並び、手前には倉岳山から細野山、トヤ山、矢平山。更に手前の小さな山は二十六夜山だ。ヒノキ林の急登をあえぎながら登る。無名峰を越え、高度が上がったのでようやくブナが現われた。午後になって少し気温が下がって来た。すぐに大栗への道を左に分け、赤鞍ヶ岳への最後の登りとなる。所々残っている霜を踏みしめながらゆっくり歩を進める。モミやリョウブの大木の間を抜けるとロボット雨量計があり、カラマツに囲まれて展望のない平らなピークに到着。標識もないがここが赤鞍ヶ岳のようだ。ミズナラ、ブナ、リョウブ、イヌブナなどの林の中、稜線は小さな登降を繰り返してどこまでも続いている。予定より1時間遅れで秋山峠に着いた。ここはカヤトの原で富士山や丹沢方面の展望が良い。加入道山と大室山がすぐ目の前に大きくそびえており、その左奥にピラミッド型の蛭ヶ岳が鎮座している。

空身で朝日山へ向かう。10分足らずで本日の最高峰朝日山に着いたが、コナラなどに囲まれて展望はない。写真だけ撮ってすぐ峠に引き返す。峠からは道志の谷へ向かって一気に岩混じりの道を下って行く。手入れの良いヒノキ林やミズナラ・コナラの林などを軽快に下って行く。竹之本の集落がちらちら見え始め、しばらく暗い植林をたどると林道に出た。正面の谷向こうの加入道山が随分立派だ。その右には富士山が逆光に映え、雪煙が光っている。