晩秋の大沢山(1450m)
 

日 時:2000年11月25日
行 程:930 笹子−1000 稲村神社−1010,1020小鉄塔−1040 899m峰−1050,1100 935m付近−1107 大鉄塔−1155,1205 1200m付近−1250,1455 大沢山−1535,1545 1100m付近−1605,10 大鉄塔−1645,50 小鉄塔−1700,05 稲村神社−1725笹子駅

ルート断面図とルート図
 
大沢山断面図
 
大沢山ルート図
カシミール3Dにて作成しています

大沢山。昭文社エアリアマップ【高尾・陣馬】の裏面「鶴ヶ鳥屋山」の地図に名前はあるがルート表示はない。笹子雁ヶ腹摺山の南、本社ヶ丸の北西に位置する。笹子駅を降り、甲州街道を西へ向かうのは我々だけだ。空には薄い雲が掛かっており、風はなく暖かい。笹子川を渡る。一直線の道はかなりの登り勾配だ。再び笹子川を渡り返すと「笹子鉱泉」の大きな看板がある。追分で左折すると程なく稲村神社に着いた。数台分の駐車スペースがある。社殿と地蔵堂の間を抜けると踏み跡があり、杉林の登り口に小さな指導標が立っている。ここが登山口だとは一寸判らない。暗い杉林の急坂道を10分程たどると送電線に出た。ウリカエデやダンコウバイ、コナラ、コアジサイ等の黄葉が盛りを過ぎているものの暗い杉林の中では目立つ。リョウブやイヌシデはもうすっかり葉を落して冬姿である。モミの巨木が何本もある。緑の中にヤマモミジの紅葉が艶やかだ。899m峰を過ぎると左がヒノキの植林。右がコナラの林になった。コナラはまだ黄葉を残しており、林全体が明るい黄色に染まっている。

   黄葉が 心和ます 楢林

ホオノキの巨大な枯れ葉が目に付く。ウダイカンバも多く、ミツバツツジはまだ葉を落していない。ようやく植林が切れて全面コナラ林となる。すぐに送電線の大鉄塔。100m位はありそう。鉄塔の向こうに三角の滝子山、北にはお坊山、笹子雁ヶ腹摺山、東面には本社ヶ丸が大きくそびえている。その右隣の電波塔は清八山だ。南西方向にはこんもりとした大沢山のピークも望める。オオモミジの紅い葉がわずかに残っている。これもいい色である。傾斜が落ちてアカマツが増えてきた。高度も上がったのでブナやミズナラが現われ、ウリカエデやウリハダカエデも多い。相変わらず風はない。カラマツ林の急斜面にシラカバ、イヌブナ、ウダイカンバ、ミズナラなどが混じっているが、ほとんど葉を落しきっており、辺り一面分厚い落葉の絨毯である。

傾斜がかなり緩やかになり、大きな犬を連れた人が降りてきた。風もなく穏やかな小春日和。ピークかと思うとまだ先がある。何度かだまされてようやく山頂に到着。まばらなブナやミズナラに囲まれた平坦な山頂の南面が少し開けており、晴れ渡った空の下、両サイドの木々が額縁のように富士山を挟んでいる。やや下った所にほぼ平らなスペースを見つけ、邪魔な倒木を片付けてシートを敷く。2時間に及ぶ大宴会の余韻を楽しみながら、落葉が分厚く敷き詰められた急斜面を下る。ヒノキや杉林の中は暗い。木の間越しに見える笹子雁ヶ腹摺山の三角錐が夕陽を浴びてオレンジに染まっている。大鉄塔を過ぎる頃には、空は明るいのに森の中は真っ暗になってしまった。足許を確かめながらゆっくり下る。重い足を引き摺りながら稲村神社に着いた時には森の外も暗かった。笹子駅までの夜道を皆黙々と歩く。