欧州登山計画書1977

1.趣意
当会は、職域団体という性格上、広範な登山を主眼として活動を続けて参りました。その間、山行レベルも徐々に向上し、海外へも目が向けられるようになりました。しかし、組織力もなく、海外経験者もいない当会にとって、ヒマラヤやアンデスの高峰は望むべくもなく、具体化に到りませんでした。

そうした中で会創立10周年を機会に、限られた時間と資金を最大限に活かし、しかもあくまでも職域団体の枠を超えないという前提に立ち、兎に角、一度飛び出そうということで本計画が生まれました。従いまして、以上の経過からも計画の内容は代表的ピークを一般ルートから狙うものであり、少々迫力には欠けますが、現在の実力では精一杯と思われます。

真夏でも吹雪くことのある本場アルプスのスケールの大きさを自らの手と足で実感し、我々の抱いている山のイメージを拡大し、そして今後の会活動の発展に大いに参考となるべく活動したいと念願しております。 後掲の日程は余程の好天と好運に恵まれない限り、すべてを消化することは不可能です。半分完登出来れば上々と心得、当会の海外へのささやかな第1歩として、安全第一に己の力を自覚して行動する所存です。 全く未熟な私共ではありますが、上記の趣意をご理解の上、今後とも皆様のご支援ご指導の程よろしくお願いいたします。

2.隊の編成
磯貝 清(27歳) 日本光学工業�蠡膂羸什扈蟠侈� 横浜市戸塚区・・・
井形啓己(28歳) 日本光学工業�蟆I誉什扈蟠侈� 川崎市高津区・・・

3.予定ルート
現地での判断により左記以外のルートへ変更もありうる
イ.モンブラン山群ランデックス針峰南東稜
ロ.モンブラン山群モンブラン ボス山稜
ハ.モンブラン山群モアヌ針峰南稜
ニ.モンブラン山群ダンデジュアン、ロシュホール針峰、グランドジョラス縦走
ホ.ヴァリス山群マッターホルン ヘルンリ稜
ヘ.ベルナーオーバーラント山群 アイガーミッテルレギ山稜

4.国内連絡場所
浜舘郷一 日本光学工業�蠖融�部次長

5.日程
→《実行動》
7/19 出国(羽田発1330KE704便―ソウル発1840KE903便―
7/20 ―マニラ、ジェッダ経由1300チューリッヒ着―マルティニ泊
7/21 移  動(マルティニ〜シャモニー  BC設営)
  →《ここまでほぼ予定通り》
7/22 時差調整(シャモニー〜エルブロネルピーク往復)→《エギーユドミディ往復》
7/23 登山活動(ランデックス針峰南東稜)→   《モアヌ針峰南稜》
7/24 登山活動(モンブラン ボス山稜)→《モアヌ針峰南稜》
7/25 登山活動(モンブラン ボス山稜)→ 《シャモニー帰着、休養》
7/26 登山活動(予 備 日・休 養)→《風邪で休養》
7/27 登山活動(モアヌ針峰南稜)>→《風邪で休養》
7/28 登山活動(モアヌ針峰南稜)>→《モンブラン グーテヒュッテへ》
7/29 登山活動(予 備 日・休 養)>→《モンブラン 停滞》
7/30 撤収、移動(シャモニー〜ツェルマット BC設営)→《モンブラン 停滞》
7/31 登山活動(マッターホルン ヘルンリ稜)→《モンブラン 第1回アタック、停滞》
8/1  登山活動(マッターホルン ヘルンリ稜)→《モンブラン 第2回アタック、停滞》
8/2  登山活動(予 備 日・休 養)→《モンブラン 第3回アタック、登頂》
8/3  撤収、移動(ツェルマット〜グリンデルワルトBC設営)→《休養》
8/4  登山活動(アイガー ミッテルレギ山稜)→《ツエルマットへ移動》
8/5  登山活動(アイガー ミッテルレギ山稜)→《モンテローザヒュッテへ》
8/6  登山活動(予 備 日・休 養)→《モンテローザ 登頂》
8/7  撤収、移動(グリンデルワルト〜シャモニーBC設営)→《マッターホルン ヘルンリヒュッテ》
8/8  登山活動(ダンデジュアン〜グランドジョラス縦走)→《ラウターブルンネンへ移動》
8/9  登山活動(ダンデジュアン〜グランドジョラス縦走)→《グリンデルワルト経由ベルンへ移動》
8/10 登山活動(ダンデジュアン〜グランドジョラス縦走)→《帰国(チューリッヒ―ジェッダ)》
8/11 登山活動(予 備 日・休 養)→《帰国(ジェッダ―マニラ)》
8/12 撤収、移動(シャモニー〜ジュネーブ〜パリ)→《帰国(マニラ―羽田)》
8/13 帰国(パリ 1330オルリー発KE902便―)
8/14 帰国(1930ソウル発KE701便―2130羽田着)
[有給休暇17日]

6.予算(2名分)
・渡航費 50万円
・現地交通費 15万円
・装備購入費 15万円
・食糧購入費  5万円
・現地滞在費 10万円
・予備費 15万円
・合計       110万円

7.目的地概要(地図は省略)
・モンブラン山群
 シャモニー針峰群を中心に、西に赤い針峰群、東にグランドジョラス、北にドリュ、ベルトそして南にモンブランを据え、アルプスで最も多くの高峰を集めた岩と雪と氷河の宝庫。アルプスの最高峰と豪快な針峰群に魅せられた世界中のアルピニストと観光客がそれこそ5万と集まり、ハイシーズンのシャモニーは大都会に変貌する。
・ヴァリス山群
余りにも名高いマッターホルンを盟主に、ブライトホルン、リスカム、モンテローザ等30座に近い4000m峰がスイスイタリア国境に林立している。ガソリン車をシャットアウトした緑と白と青の街、アルプス最大のリゾート ツェルマットがその基地。テオデュルパスでは真夏にも氷河スキーを楽しめる。
・ベルナーオーバーラント山群
絵画的風光に恵まれスイスアルプスで最も美しい谷グリンデルワルトとアイガー北壁に代表される。名の通り緑の森に囲まれた牧歌的・女性的山容を示し、男性的なモンブラン山群と好対照をなしている。グリンデルワルトは槙有恒以来日本人とも馴染みが深く、南安曇村と姉妹村の関係にある。

8.装備
・共同装備
BC用テント(3人用エスパース)一式、AC用ツェルト、コンロ1、テルモス(0.5L)1、ラジオ、双眼鏡、35mmカメラ、フィルム(コダクローム64 36枚撮り×5本、ネガフィルムASA400 24枚撮り×1本、ASA100 24枚撮り×3本)8mmカメラ、フィルム(コダクローム40×25本)修理具一式、温度計、重量計、医薬品一式、目覚まし時計、地図・ルート図一式、日用雑貨一式、日本食若干
・登攀具
ザイル9mm40m×1、ザイル9mm50m×1、ピッケル2、アイゼン2組、アイスハンマー1、ロックハンマー1、ロックハーケン10、カラビナ20、アブミ4台、フイフイ4、ヘルメット2、ゼルバン2、下降器、シュリンゲ若干
・主な個人装備
羽毛服、半シュラフ、マット、雨具上下、セーター、ニッカーズボン、ウールカッターシャツ、ロングスパッツ、ウール手袋2、靴下(長)2、靴下(短)2、純毛下着上下、サブザック、呼子、ゴーグル、ウール帽子、着替え一式、日用品・旅行用品一式


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