那珂川【大瀬〜那珂川大橋】

日  時:1999年5月29日(土)
天  気:曇り、気温高く東の風やや強し(向かい風)
行  程: 910守谷SA−那珂IC−1030,1050那珂川大橋−1130,1250 大瀬−1630,1810那珂川大橋−1830那珂IC
  漕行距離:約20km
漕行時間:3時間30分

昨年に続き6月1日あゆ解禁直前をねらってのツアーである。2年前の9月に来て釣竿の行列の間をくぐることになり、えらい目にあったので、6月から10月まではあゆのいる川には行きたくない。守谷SAで集合して常磐道を那珂ICへ向かう。今回のゴール那珂川大橋のたもとの「道の駅 桂」に車を停める。F氏の車にカヌーを積み込み出発点の大瀬を目指す。

スタート地点の大瀬の河原でカヌーを組み終わったのは昼近く。雲の間から初夏の陽射しが照り付ける。予報ではこれから天気は回復の方向なので暑くなるだろう。昼のビールは回りが早く、今日は酔っ払い運転になりそうだ。河原には10台位駐車しており、テントを張っているグループも多い。目の前の川を次々とカヌーが通り過ぎて行く。さすが関東のカヌー銀座だ。ファルトの2人乗りがかなり多い。ぼちぼち出発することにする。

気田川ほど水はきれいではないが、今年は4月に雨が多かったせいか水量はかなり多く、川幅が随分広くなっている。昨年この川は水害でかなり荒れたはずだが、見た所それ程破壊の痕は目立たない。しかし、良く見ると竹林がなぎ倒されていたり、根こそぎ倒された木もある。水面から4m位の枝にビニールなどのごみが点々と引っ掛かっている。あそこまで増水した激流はどんなだったろう。時々現れる橋の橋桁にも流木が張り付いたままだ。川幅が広がっているので流れが遅く、しかもかなりの向かい風なので、しっかり漕がないとほとんど進まない。

1時間ほど下った所で右岸の河原に上陸して休憩。まだビールが残っているのか横になると眠くなる。先はまだ長いので渋々腰を上げ、再び漕ぎ始める。とんびや鶯が鳴いている。川面を渉る風が快い。水面から見あげる木々の葉は新緑を過ぎて濃さを増している。遠いのでケヤキやイロハモミジ程度しか判別できない。最初から下流までケヤキがかなり多かった。船底を岩にこすることもほとんどなく、写真を撮り合いながらのんびり下って行く。浅瀬を気遣う心配もいらない。時々ちょっとした瀬が現われる。水量が多いので結構大きな波が立っていて、突っ込むと艇が上下にゆさぶられ、しぶきがかかって気分爽快だ。但し、川幅は広く岩にぶつかる心配もないので沈のおそれはない。

誰もいない広い河原でカップルがカヌーを並べて休んでいる。ちょっとうらやましい。2年前にバーベキューをした新那珂川橋を過ぎると一段と水量が増し、大きな川になる。所々護岸が壊れており、災害復旧工事が始まっている。なかよしキャンプ場の工事現場ではボンベをかついだウエットスーツのフロッグマンが作業していた。上流ではかなり冷たかった水が急に気持ち悪い位暖かくなった。下水が大量に流入しているのだろうか。 御前山橋あたりの水辺の崖に大きなケヤキがあった。垂直に近い岩壁にしっかり根を張り、斜めになりながら太い幹を水面に大きく伸ばしている。高さは15m位はあるだろう。幹も枝も捻じ曲がって怨念がこもっているようなすさまじい姿である。去年のあの水害にも耐えたのだ。普通のケヤキは幹が垂直で端正な樹形をしているが、環境が変わると随分変わるものだ。葉がなければ同じ木とは全く思えない。

漕行2時間を越えると腰が痛くなり、手もだるくなる。日が陰って冷えて来た。Tシャツだけでは少し寒いが上陸して着替えるのも面倒だ。簡単に着替え出来ないのは山と違って不便だ。いい加減くたびれた頃ようやくゴールの赤い那珂川大橋が見えた。大瀬まで車を回収し、カヌーを片づけた頃には河原に夕闇が迫っていた。疲れた体で帰りの運転は一寸つらかった。

*カヌー:正しくはカヤック