森の雑学 その5 地球温暖化と森のつながり


●地球の大気の歴史

・ 46億年前(地球誕生)    大気はCO2、窒素、塩化水素、アンモニアなどで構成。酸素ゼロ

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・ 27億年前(光合成生物出現)  シアノバクテリア(藍藻類)が光合成により酸素を発生

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・ 15億年前           大気の組成は現在に近くなる

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・ 4億年前(陸上植物出現)  シダ植物が最初の陸上植物として上陸 気温高くCO2濃度は今の10倍以上

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・ 2.5億年前(針葉樹出現)

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・ 1.5億年前(広葉樹・草本類出現)

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・ 400万年前(ラミダス猿人出現) 原始人類誕生

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・ 1950年頃   窒素78%、酸素21%、アルゴン1%、CO2 0.03%

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・ 現在 CO2 0.04%



●地球温暖化と森の関係

*乾燥空気の主要成分 窒素78%、酸素21%、アルゴン1%、
二酸化炭素は最近50年間で0.03%→0.04%へ急増している

*27億年前の地球にほとんど酸素はなかったがシアノバクテリアによる光合成で15億年前までにほぼ現在の水準まで酸素が増えた。

*4億年前シダ植物が最初の陸上植物として上陸した頃は気温高くCO2濃度は今の10倍以上だった。シダ植物は繁栄して巨大な森林を形成したが、微生物が存在しないため枯死しても分解せず炭素を固定したまま地中に埋もれ長期間の加熱と加圧により石炭となった

*温室効果ガスには二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素など6種類あるがCO2が6割以上を占める

*京都議定書(気候変動枠組み条約)により
 日本は1990年比6%削減義務があるがその内訳は

森林吸収3.8%、排出権取引1.6%、実質削減率0.6%という虫のいい数字を出している

*2008年現在の日本の削減状況 1.6%増加。2012年までに 0.6+1.6%削減必要
長期にわたる景気低迷によりエネルギー消費が減少している面がある

*熱帯雨林を中心とした森林破壊の影響
これによる炭素放出量(年30億トン)は化石燃料燃焼による放出量(年60億トン)の半分になっている
伐採・焼却された熱帯雨林の再生は非常に困難

*森林は「自動制御装置付き」巨大炭素貯蔵庫と言える
  CO2濃度上昇に比例して森林の光合成能力は増加する(β効果)

*伐採しても材木として使用中は炭素が固定される →  

   炭素を固定する木を大切に育て、有効に利用しよう

2011.3.21