晩秋の高柄山(たかつかやま733m)
 
日 時:2010年11月20日(土)
行 程:555佐倉−613,622千葉−652,657錦糸町−御茶ノ水−814,820高尾−841,850四方津〜915川井峠〜1028,1037540m地点〜1105御座敷松〜1130大地峠〜1138大丸〜1214千足峠〜1230,1310高柄山〜1405金山集落〜1505,1517坂下バス停〜1530,1555上野原−1640西国分寺−船橋−佐倉
累積標高差:約900m
歩行距離:約11km

ルート断面図とルート図
高柄山断面図 高柄山ルート図
カシミール3Dにて作成しています

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快晴の四方津駅に降り立つと風は無く絶好の登山日和である。中央線下のトンネルをくぐり、桂川に掛かる川井橋から眼下の瀬を見ながら 「カヌーだったらどの岩の間を抜けたらいいかな」 「あの岩の下はドンと落ちているから沈するな」 「こっちへ回った方がえーやろ」 ワイワイ盛り上がる。傍から見たらいい年こいたおじさんが何を騒いでいるのかと思うだろう。今回はいつものカヌー仲間F氏に加えて、40年来の友人であるH君も参加してくれた。

共に関西出身ながら関東で就職し、独身時代には大菩薩を皮切りに槍穂縦走、八ヶ岳、谷川岳、富士山など山歩きを始めスキーやヨットなどを通じて青春時代を共有した。その後、転勤などで長い間年賀状だけのつながりだったが、昨年彼が定年退職後、埼玉に居を構えたのでようやく実現した30年ぶりの再会山行である。

今日目指すのは高柄山という小さな山だがアップダウンが激しく、距離も長いので手強いコースだ。晩秋の日暮れは早いのでペースを上げるべきなのだが、久し振りの再会に話題は尽きず、周囲を観察しながらのんびり歩く。遅くなったら高柄山ピストンにすればいい。 所々、ヤマモミジやハウチワカエデなどが紅葉し柿の実が生る山里を抜けて山道に入り、エンコウカエデ、ダンコウバイ、モミ、スギ、ヒノキなどと木の名前を説明しながら歩き易い道を登って行くと手入れの良いスギ林があった。この辺りは北斜面で日が当たらず、気温6度と結構冷えている。

高柄山 高柄山 高柄山 高柄山
 
聞けばH君は森林インストラクター試験も受験したことがあるという。名古屋では海上の森で自然解説をしていたらしい。こんな次第で生徒一人にインストラクターが二人という実に豪勢?な観察会となった。 生徒のFさんにとっては怪しげな先生で迷惑だったかも知れないが。ホオノキの落葉で飛行機を作って飛ばしてはうまく行かず、何度も作り直したりでちっとも前に進まない。さすがにH先生の飛行機は良く飛んだ。あちこちで立ち止まって解説しながら歩くので後続の登山者にどんどん追い抜かれる。高度計が540mを指す辺りで一息入れ、バナナなどでエネルギーを補給する。路傍の石の地蔵さんには寛政六年と刻んであった。

「この道は江戸時代には甲州街道の裏街道やったんちゃう」 「それで歩き易いんやな」 自然に関西弁になる。晩秋なのでほとんど花はないが、シロヨメナの白い花だけが点々と咲いている。御座敷松では目の前で林道工事の最中だったが、道志の山並みの間から富士山が頭を出していた。右手の樹間からは権現山から雨降山への稜線が覗き、その手前には四方津ニュータウンと長いエスカレータが見えている。 時折り、舗装された未開通の林道と交差しながら、大地峠、大丸山を経て千足峠を過ぎ、15分ほど急坂を登ると高柄山山頂に出た。コナラに囲まれた広くもないピークでは先行した若い女性2人がみたらしダンゴを食べている。他には単独の人が一人いるだけ。我々も日溜りでシートを広げて靴を脱ぎ、おにぎりを頬張る。

高柄山 高柄山 高柄山 高柄山 高柄山
 
あれだけのんびりしたがまだ時間は充分あるので、ここから御前山経由で稜線を行き上野原へ下ることにする。しかし、うっかり金山集落への道を下ってしまった。えらく急でロープ場が連続する尾根通しの道をズルズルと滑りながら何度か昇り降りを繰り返す。純林と言ってもいい位ダンコウバイが多く、薄黄色の独特の黄葉が美しい。

見上げれば壇香梅も輝けり

1時間弱の下りで金山集落の上に出た。道脇のアカメガシワが少し色付いている。畑の叔父さんに道を尋ねながら舗装路を延々と歩く。上野原まで歩くつもりだったが、坂下バス停で時刻表を見ると10分位でバスが来るようだ。もう舗装路を1時間ばかり歩いて来て足もくたびれた。 狭い道ですぐ脇を抜かれるのもしゃくなのでバスを待つことにする。間もなくやって来たバスには誰も乗っておらず、上野原まで貸切だった。西国分寺で途中下車して居酒屋を探し、ビールを酌み交わしながら改めてアラカン3人組の結成を祝った。今後が楽しみである。

高柄山