晩秋の雄国山(1271m)と安達太良山(1700m)
 
日  時:2008年11月8日(土)〜9日(日)
天  気:【8日】 晴れ、強風
     【9日】 くもり
行   程:【8日】 950雄国沼登山口−1146,1225雄国山−1250,1310雄国沼−1410雄国沼登山口−川上温泉
     【9日】 905ゴンドラ山麓駅−913ゴンドラ山頂駅−945仙女平分岐−1020,1040安達太良山−1111,1115牛の背−1145,1155峰の辻下−1210くろがね小屋−1240勢至平分岐−1300,13201150m付近−1350,1400あだたらスキー場−1550白石

ルート断面図とルート図
安達太良山断面図 安達太良山ルート図
カシミール3Dにて作成しています

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予定外の雄国山

安達太良山に登るつもりだったが強風のため低山に変更し、小野川湖、檜原湖の湖畔を通って雄国沼登山口に到着。10時少し前に歩き始める。すっかり葉を落としたブナやミズナラなどの明るい森の中を緩やかに登って行く。枯葉を残したままのイヌブナが目立つ。上空は相変わらず風がゴーゴー吹き荒れているが地上は風もなく、落ち葉を敷き詰めた気持ちいい道を辿る。 左手には雄国沼から檜原湖へ注ぐ雄子沢川が見え隠れしているが、はるか下を流れているので沢沿いの道という感じはしない。途中一本立てる。やや斜度が上がって坂道を登り切ると雄国山(1271m)への分岐があった。冬枯れの木々の間から笹原に覆われたなだらかな稜線が見渡せる。

案内板によれば40分で行けそうなのでこの山を目指す。大きくジグザグを繰り返しながら、高度が少しずつ上がると強風が吹きすさぶ中、雄国沼が徐々に姿を現した。半年前に来た時には濃霧で全く見えなかった沼だが、地図の感じより随分広くて沼というより湖のようだ。東の方には白く雪を被った磐梯山も頭を出している。


雄国山 雄国山 雄国山
 
よく整備されて歩き易い道を緩やかに登って行くと30分程で狭い山頂に着いた。スズタケなどに遮られて展望は良くないが、2m程の高さの展望台がある。上がってみると360度見渡せるが、烈風が吹き荒れ帽子は手で押さえていないと飛んでいくし、カメラを構えてもぶれてしまう。気温は2度だが体感温度は完全にマイナスだ。磐梯山はかなり下まで白い。後から来た単独の人に 「あれは雪ですかね?」 と尋ねられて、疑いもせず 「雪ですよ」 と答えたが・・・。

昼時なので食事にしたいが、風当たりが強くとても休んでいられず、少し下って風の弱い凹地にシートを広げる。簡単な食事を済ませてすぐに下り始める。展望の良い稜線からは広々とした雄国沼や磐梯山など周囲の山々が見渡せてすこぶる気分がいい。軽快に下ってあっという間に分岐点に帰着。 当初の目的地である雄国沼まで足を延ばす。沼畔には立派な休憩小屋があった。中は有料トイレのみでがらんとしており、数組の登山者が休んでいた。少し先の沼まで歩いてみたが水は思ったより透明で、やはり「沼」というより「湖」と呼ぶ方がふさわしいだろう。小屋を後に落葉道を引き返す。 途中、大きなザックを担いだ若者パーティーとすれ違ったが、こんな時間からどこへ行くのだろう?幕営する場所があるのだろうか?冬枯れの明るい森の中をのんびり下って、14時過ぎ登山口駐車場に帰着。裏磐梯のホテル群を抜け、土湯峠経由今宵の宿の川上温泉へ向かう。

安達太良山

翌朝、曇っているが風は収まりどうやら安達太良に登れそうだ。8時前に宿を出てコンビニで昼食を調達し、再びあだたらスキー場を目指す。スキー場の麓辺りにはまだ紅葉が残っており、車窓から紅葉狩りを楽しむ。スキー場の広い駐車場には観光バスを含め昨日より多くの車が停めてある。 この分では稜線は人で溢れていそうだ。ゴンドラは10分ほどで標高1350mの山頂駅に到着。曇りで気温は0度だが、風がないのでそれ程寒さは感じない。登山道入口には皇太子夫妻登山記念の大きな標柱が立っている。お陰で極めて立派な木道や石畳の道が整備されていたが、砂利を敷き詰めた中に平たい踏み石が一歩毎に配置されているのには驚いた。


安達太良山 安達太良山 安達太良山
 
日本庭園じゃあるまいし、幾らなんでもやり過ぎだろう。両側にシャクナゲが並び、遊歩道のような道がどこまでも伸びている。少し風が出て来た。緩やかな登りが続き、登山者や観光客が次々にすれ違う。日陰には大きな霜柱がぎっしり並んでいる。仙女平分岐の辺りで展望が開け、山頂方面が見えたが、ピークはガスの中のようだ。 斜度が増してようやく山道らしくなり少し汗ばんで来た。フリースや毛糸の帽子手袋を脱ぎ、夏用帽子と軍手に換える。標高1600m辺りから木々は全て霧氷に覆われ山全体が白く見えるようになった。地面に雪はない。となれば昨日見た白い磐梯山も雪ではなく、霧氷に覆われていたということか。雄国山では嘘を教えてしまった。

徐々にガスが濃くなりルートが判然としなくなった。道標がなければ迷ってしまうだろう。10時20分、山頂直下の「あだたら山頂」という大きな標柱に辿り着く。そこから左に回り込んで梯子や鎖で大岩を越えピークに立つ。視界は10mもなく何も見えない。気温はマイナス3度、岩という岩に薄氷が張り付いて白くなっており、完全に冬山の様相である。

安達太良山 安達太良山 安達太良山
 
鉄山方面に近道をしようとして少し迷ったが、大標柱まで一旦戻り牛の瀬方面へ進む。地面は凍りかけてはいるがアイゼンを着ける程ではない。次々に分岐が現れるけれど、ガスっているので全体像がつかめず慎重に道を選ぶ。11時過ぎ、牛の背に着いた。直進すれば鉄山だが、視界もないのであきらめ右折して峰ノ辻方面へ向かう。

11時半、十字路になった峰ノ辻通過。くろがね小屋方面を選ぶ。1500m付近まで下ると霧氷もなくなり、ガスも晴れたので一本立てる。上部はガスっているが、下の方は遠望が利く。鉄山の崩壊した大きな岩壁がガスに煙って凄味を見せて迫る。12時過ぎ、予想より随分大きくて立派なくろがね小屋前を通過。

安達太良山 安達太良山
 
緩やかに下り、少し登り返すとジープ道に出た。林道ではなく小屋の荷揚げ用道路らしい。この道を延々と下る。勢至平分岐を過ぎ、「八の字」から急な山道となった。13時、1150m付近で2本目を立て、昼食とする。気温は3度。間もなくスキー場が見え始めた。林道に出ると駐車場はすぐだった。