大黒天から蔵王地蔵尊を目指す(刈田岳・熊野岳・地蔵山)
 
日  時:2008年9月6日(土)
天  気:快晴のち曇り
行  程:620白石―725,740大黒天駐車場〜825,828刈田岳〜907,920熊野岳〜950地蔵山〜1007三宝荒神山〜1025,1030地蔵山〜1103熊野岳〜1140,1155刈田岳〜1225,1230大黒天駐車場―1300,1330北原尾温泉―1400白石


ルート断面図とルート図
地蔵岳断面図 地蔵岳ルート図
カシミール3Dにて作成しています

写真をクリックすると拡大します


地蔵山
左から刈田岳、馬の背、熊野岳、五色岳

最近天候不順が続いて週末に晴れることがほとんどない。今日も予報はくもりだが、早朝から霧が立ち込めている。迷ったが、空は明るく雨は降りそうにないので、とに角行くことにする。目指すのは蔵王連峰で唯一訪れていない地蔵山だ。スキーの時は頭しか見えていない地蔵さんの全体像はどんな姿か楽しみである。

急いで仕度して6時過ぎに出発。コンビニでおにぎりを調達し、いつもの457号線で遠刈田温泉経由エコーラインを行く。山道は霧が深くフォグライトを点ける。この分ではガスの中を手探りで歩くことになるだろう。しかし、滝見台辺りから霧が薄れ、何と澄川のスキー場を過ぎる頃には雲一つない快晴になった。下界には雲海が広がっている。 これはラッキーだ。浮き浮きしながら大黒天駐車場に車を停める。広い駐車場には誰もおらず一番乗りだ。


地蔵山 地蔵山 地蔵山 地蔵山
 
朝食を済ませて車を後にする。荷は軽く天気もいいので足も軽い。刈田岳から馬の背そして熊野岳、五色岳の荒涼とした火山礫帯が大迫力で展開しており、北方には雁戸山や先月登った仙台神室もはっきり見える。 後烏帽子から屏風岳、杉ヶ峰方面も逆光ながらシルエットでくっきり浮かんでいる。周囲には若いススキが林立し、ヤマハハコやヨツバヒヨドリ、ミヤマアキノキリンソウ、オヤマリンドウ、アカモノ、シロバナトウチクソウなど9月にしては意外に花が多い。

気温は22度で日差しがきつくたちまち大汗。 時折、そよ風が吹き抜けるのが何とも心地よい。お釜が見え出したが、今日はいつもより緑色が濃く、正しくエメラルドグリーンである。刈田岳(標高1758m)で少し休み馬の背へ向かう。まだ朝早いのにお釜の周辺は観光客で賑わっている。吾妻連峰や飯豊方面は雲に隠れてほとんど見えない。


地蔵山 地蔵山 地蔵山 地蔵山
 
屏風や烏帽子にも少し雲が掛かり始めた。気温は19度に下がっている。なだらかな登りを快調に飛ばし、9時過ぎに熊野岳(標高1840m)到着。誰もいない静かな山頂で行動食をしっかり腹に詰め込む。周囲の雲が増えて遠望は利かなくなって来たが、頭上は秋らしく澄み切った青空だ。地蔵山へ向けて岩だらけの近道を下る。 ルート上の大きな岩には全て白いペンキ印が付けてあり迷うことはない。間もなく縦走路と合流し、傾斜の緩い石の階段道を少し下ると「ワサ小屋跡」の標識とライザスキー場方面の分岐あり。ここを直進すると少し登りになる。

地蔵山方面からは運動靴や革靴の観光客が空身で次々にやって来るが、お釜まで行くつもりだろうか? 熊野岳を振り返ると右半分が大きく崩壊して荒々しい姿だ。空はすっかり厚い雲に覆われてしまった。小ピークを過ぎると平坦な木道になり程もなく地蔵山(標高1736m)到着。ここは広くて平坦な台地状の末端であり、標柱がなければとても山頂とは気付かないだろう。右に折れてロープウェイ駅方面へ下る。


地蔵山 地蔵山 地蔵山 地蔵山
 
この辺りオヤマリンドウの鮮やかな紫花が目立つ。公園のようにきれいに整備された中に鎮座する蔵王地蔵尊は、坐像だが思ったより大きく立派な姿である。高さは台座を含めて2.7m、江戸時代中期の1775年に造立されたというから、200年以上の風雪に耐えた由緒ある仏像だ。

近くに案内板があり雁戸山が見えるとあったので、三宝荒神山(標高1703m)への周遊ルートに足を伸ばす。オヤマリンドウやミヤマシャジンが咲く中を5分程で山頂に着いたものの、ガスに包まれて雁戸山はおろか何も見えず。山頂駅に戻るとまた晴れて地蔵山も見えて来た。登り返して地蔵山のベンチで一休みし、熊野岳へ向かう。


地蔵山 地蔵山 地蔵山 地蔵山
 
ルートの左(東側)下には地蔵山をパスする木道があり、そちらがメインストリートのようである。積乱雲らしい雲が上がっているので、午後には雷の可能性があり先を急ぐ。この山域で雷に遭ったら逃げ場がない。ワサ小屋跡の先から白ペンキ印に従って岩場を辿る。花が終わったコマクサがあちこち目に付く。 下る時は長く感じた岩場もあっさり終了し、11時過ぎ熊野岳神社の鳥居前に飛び出した。神社の裏手から刈田岳へと向かう。

雲が切れて青空が広がって来たので雷の心配はなくなった。ホッとして歩を緩め、そよ風の馬の背をのんびり下る。お釜見物の大勢の観光客に混じって刈田岳に着いた。 まだ12時前だが、人込みから外れた枯れ木に腰掛けて昼食にする。杉ヶ峰や屏風岳は雲の中だ。花の写真を撮りながら大黒天へ下る。ハイマツの中で咲くヤマハハコに陽が差して白さが際立っている。このヤマハハコは生命力旺盛らしく花期は長いし、今回の全ルート上に咲いていた。早くもサラサドウダンが1株色付いている。車が10台ほどに増えた大黒天駐車場には薄っすらと霧が流れており、駒草平辺りからは濃霧であった。