小紫陽花咲乱れる御岳山
 
日 時:2001年6月25日(月)
行 程:835 山楽荘−920七代の滝−935,945 天狗岩−1010,1015 綾広の滝−1050,1150 駒鳥売店−1210山頂駅−1230,1250 大塚山−1350,1355樹林帯−1425 古里

ルート断面図とルート図
 
御岳山断面図 御岳山ルート図
カシミール3Dにて作成しています

山楽荘
 

木の実入りの朝粥で腹拵えし、どんよりした曇り空の下、宿を後にする。今日は岩石園を散歩して御岳山へ戻り、大塚山を経て下山の予定である。蒸し暑いものの、雨は大丈夫そうだ。道端の石垣にはユキノシタの白い花が一面にへばりついている。旅館や茶店の間の曲がりくねった狭い参道をしばらく登ると、幹周り8m、推定樹齢1000年という「神代ケヤキ」がどーんと空を覆っていた。御岳神社の参道の両脇に幾十もの御影石の立派な「御岳講参拝記念碑」やら「寄進記念碑」が隙間なく並んでいて一寸異様だ。径1m以上の巨大スギが現われるとすぐ「長尾平展望台」という広場があったが、別に展望という程のことはない。ここで大岳山への道と別れ、七代の滝へと下り始める。手入れの良い大きなスギが立並ぶ急な斜面だ。梅雨だから仕方ないが、風が無く猛烈に蒸し暑い。たちまち大汗をかく。シジュウカラがツピー、ツツビーと鳴いている。登り返すのが大変そうな程どんどん下る。

ようやく沢の音が聞こえ始め、傾斜も緩くなる。上養沢への分岐で右に折れ、小さな沢を渉ると御岳沢本流にある七代の滝だった。低い山なのに水量が豊富で、滝壷の周囲は水しぶきと冷んやりした風で涼しく、水も澄み切っている。濡れて滑りやすい岩の脇にコアジサイの白い花を見つけた。この木は、卵型の葉で鋸歯が大きく良く見掛けるが、花は初めてだ。装飾花がなく、径4〜5mmの小さな花が密集して5cm位にかたまって咲く地味な花である。滝のすぐ上には鉄梯子がいくつも架けてあり、ぐんぐん高度を稼ぐ。この急斜面にコアジサイの大群落があり、一面白い花で埋まっている。地味な花でもこれだけ集まると目立つ。マンサクの茎にモリアオガエルが白い泡のような卵を産み付けている。マタタビの白く変色した葉も目に付く。鉄梯子を頼りに一気に60m位登っただろうか。ようやく天狗岩に到着した。ここには案内板と「岩石園入口」の表示があり、沢沿いの緩やかな下りとなる。

モミジイチゴの黄色い実が沢山生っている先で御岳沢に降り立ったが、無数の白い花がおしべも着いた花の形のまま敷き詰めたように散っている。エゴノキの花だ。3cm位の合弁の白花をこれ以上は無理というくらいびっしりと付ける。ずっと沢沿いの緩やかな登りだが「岩石園」というだけあって、公園のように良く整備されており非常に歩き易い。奇数羽状複葉で小葉が20cm位の大きな木があった。沢筋の代表樹種のサワグルミだ。綾広の滝に到着。高さ10m程の幅広い断崖の右端にある細い流れで女性的な滝である。その右手前に樹齢300年という「お浜の桂」あり。高さは38mあるそうだ。滝の左に巻き道があり、滝上に出るとここにもコアジサイの群落があった。岩石園が終わって大岳山への道を左に見送り、御岳山目指して右に折れる。杉の植林にミズナラやアセビが混じる。「天狗の腰掛け杉」という樹齢350年の巨大杉あり。根回り6.5m、高さは何と60mということだ。

コアジサイ 大塚山にて 大塚山の下り
 
御岳神社に戻り、神代ケヤキが目の前に見える茶店で早目の昼食を済ませて大塚山へ向かう。ケーブル駅前を過ぎると舗装が切れて山道となり、緩やかに登って行く。右は杉林、左はコナラ、アセビ、ダンコウバイ、ミツバツツジ、ウダイカンバ等の雑木林だ。林床の笹の間に、青味掛かったコアジサイが咲いている。青いのがあるとは知らなかったので一瞬疑ったが、葉は間違いなくコアジサイである。白いコアジサイには悪いが、別種の花のように実に清楚な感じで美しい。薄日が当るとキラキラ輝くようだ。

杉林 青き小紫陽花 涼しげに

若干の登りで大塚山に到着。コナラ等に囲まれて展望はないが、テーブルとベンチが据えてある。下り始めるとすぐ左が少し開けて雲海の上に川乗山が浮かんでいる。1000mに満たない山で雲海を見るのは妙な感じだ。連続してコアジサイの群落があり。白いのも青いのもいくらでも咲いている。道は少し湿って滑り易い。6月も下旬だというにこの辺りはミズナラやリョウブ、ミツバツツジ等の新緑のトンネルである。スギの植林になったが、きちんと枝打ちされ、下生えも刈ってあるので陽が良く当り明るい。民家の屋根が見えたと思ったら、立派な真新しいトイレのある丹三郎園地に到着。里はクリの花が満開である。多摩川沿いに車道を少し歩くと、すぐ青梅線の古里(こり)駅に着いた。